──では、実際にアプガ(プロレス)に入ってアイドルとプロレスをやり始めてどう感じましたか。
らく 加入当初はしんどかったです(笑)。最初は何もかわからず、とにかく目の前のことをやるって感じでした。歌もダンスも難しいし、プロレスの練習も大変で全てに必死でした。正直、辞めようってことも考えてましたし、東京女子プロレスの先輩たちにもめちゃ迷惑かけちゃってました。
──でも、辞めずに続けた理由ってなんだったんですか。
らく それが、自分でもなんでかわからないんです。もともと私は、何かを長く続けられるタイプじゃないんですよ。だから、今にして思うと運命に導かれたのかなみたいに思っちゃいます。神様か何かが、未来を見据えて止めてくれてたとさえ思っています(笑)。親にも辞めるのを止められたんです。「とりあえず3年は続けてみなさい。絶対続けたら何か変わるから」って。それは昔からよく言われていたんですけど、前はそれでも辞めていたんです。なのにアプガ(プロレス)は辞めなくて。だから、親も未来が見えていたのかなって思います。
──アプガ(プロレス)は、まずアイドルとして2017年の8月27日に@JAM EXPOでステージデビューしました。アイドルとして印象に残ってることを聞かせてください。
らく @JAM EXPOは、自分の夢が叶った日でした。でも振り返ると、パフォーマンスがほんとにヤバくて、当時のことは振り返りたくないなって思います(笑)。あと印象に残っているのは、2018年のTIFに出られたことです。出たかったステージに出られて、ほんとにうれしかったです。
──プロレスでは、いつ頃からやり甲斐を感じるようになったんですか。
らく 山下実優さんとのシングルマッチ(2018年5月19日・北沢タウンホール大会・山下実優vsラク)が初めて組まれたときです。当時団体のチャンピオンだった山下さんに、アプガ(プロレス)の中から初めてシングルで戦わせもらったんです。もちろん山下さんとの試合をがんばるぞって思っていたんですが、普段の気持ち的にはずっと悩んだままの状態だったんです。でも、その試合の入場した瞬間にフワって気持ちが変わったんです。私が先にリングインして、山下さんが入場してくるときにそれを感じました。
──どんなことに気づけたんですか。
らく 何もできない自分がチャンピオンと戦って、それにお客さんがお金払って見に来てくれてるって状況にハッと気づいて、夢から覚めた!って感じになったんです。あ、生きてる!って思えたんです。まさか、こんなに変わるとは思ってなかったです。
──そこで、自分の状況を自分の中でしっかり捉えられたのかもしれないですね。
らく そうですね。プロレスデビューのときのことはよく覚えてないですけど、そのときのことはすごく覚えてます。それからも辛いことはあったけど、試合は向上心を持ってやれるようになったし、試合する面白さを掴めていきました。