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UPDATE|2022/08/20

令和のバズ女王・高嶺ヒナの壮絶なリアル「厳格な母との衝突が表現欲に繋がった」

高嶺ヒナ 撮影/田中健児



──高嶺さんにはお姉さんもいるそうですけど、同じように厳しかったんですか?

高嶺 お姉ちゃんは模範的な娘で、成績もいいし、突飛な趣味とかもないし。親からの信頼があったので、それほどではなかったと思います。私は小学校の時から今に繋がる趣味の片鱗がありましたし、今から10年ぐらい前は、俗に「オタク趣味」と言われるものは一般化していない時代。私は小さい頃からアニメやマンガが好きで、禁止されるということはなかったですけど、「マンガばかり読まないで、ちゃんとした本を読みなさい」という感じで、あまり私の趣味に理解はありませんでした。

──アニメやマンガには理解がないのに、ゲームは大丈夫だったんですね。

高嶺 それも紆余曲折がありました。そもそもゲーム自体がダメな家庭だったんですが、私が2年ぐらいゲーム機をねだり続けた上に、ダンボールや紙でニンテンドーDS風のものを工作していたんです。それを見て、さすがに親も不憫に思ったのか、やっと買ってくれました。でも私がゲームばかりしていたら、お母さんが激怒して、私の目の前でDSを水没させて壊しちゃったんです。

──それはトラウマになりますね……。親に反抗はしなかったんですか?

高嶺 かなり反抗してました。親に抑圧されると、だんだんものを言わなくなって、消極的になる子どもが多いと聞きますけど、私の場合は規制されればされるほど衝突してました。

──親に抑圧されたことが、表現欲に繋がっていった部分もあります?

高嶺 すごくありますね。親に制限されて学んだことも多くて、そう考えると感謝すべきところも多いんですよね。たとえば昔から絵を描くのが大好きだったんですけど、周りの子たちはコピックという1本300円以上するマーカーを何十色も買ってもらっていて、すごく羨ましかったんです。私は親が買ってくれないので、自分のお小遣いで買うしかなくて、安い水彩絵の具を12色だけ買いました。その不自由な状況の中で、めっちゃ色を混ぜて、自分なりに模索したんです。その結果、私が描いた水彩画が全国で賞をもらえたので、今となっては抑圧されて良かったのかなと思いますし、それを親が見抜いて、あえてやっていたらすごいですよね(笑)。

AUTHOR

猪口 貴裕


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