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UPDATE|2022/08/15

書道家・涼風花「大河ドラマ『おんな城主 直虎』リハ分も含めて写経10枚が大変だった」

涼風花 撮影/荻原大志 

書道パフォーマンスや、東武鉄道SL『大樹』の文字を書いたりと、書道を通して日本の文化を伝える活動を行っている書道家の涼風花(りょう ふうか)。大河ドラマ『おんな城主 直虎』では主演の柴咲コウに書道指導を行うほか、手元の吹き替えとしても出演した。今回はそんな彼女に、東京・高円寺のコワーキングスペース・小杉湯となりの和室を借りて実際に一筆書いてもらうとともに、書道家になるまでの軌跡を聞いた。(前後編の前編)

【写真】美しき書道家・涼風花、凛とした撮りおろしカット【10点】

──涼さんはいつぐらいから書道を習い始めたのですか?

涼 小学2年生のとき、祖母に「お小遣いをあげるから書道教室に行かない?」と誘われたのがきっかけです。最初はお小遣い目当てだったのですが(笑)、だんだん書道が上手くなって級が上がるのが楽しくて、ちゃんと通うようになりました。そして中学2年生のときに書道の歴史を覚えたり、お手本を見ながら実際に書いたりする試験に受かって、書道師範の資格をいただきました。

──中学生で師範の資格を取っていたんですね。周りにも書道教室に通っている人は多かったんですか?

涼 いや、中学に上がると受験や部活で忙しくなるので、自然と書道教室に通う子は少なくなっていました。でも私はおばあちゃんがずっとお小遣いをくれ続けていたこともあって通い続けていました(笑)。

──書道家になる前はどのような活動をされていたのですか?

涼 高校でテニス部に入ったので、しばらく書道は休んでいました。でも文字を書くこと自体は好きだったので、勝手に友達の名前を見本として書いてあげたりとかしていました(笑)。その後、高校を出てからは歯科衛生士の専門学校に通って、歯科衛生士として病院で働いていました。

──えっ! そうだったんですか?

涼 親に「上京したい」っていう話をしたら、「東京は危ないから資格を取って食べていけるようにしてからにしなさい」って言われたんです。それで歯科衛生士の資格を取って。

──上京したいというのはどうしてでしょう?

涼 小さいころから祖母と『暴れん坊将軍』とか時代劇を観るのが日課で、出てくるお団子屋の娘さんとかがすごく楽しそうだし可愛いくて。なのでドラマに出てそういう役ができたら祖母も喜ぶかもって思ったのがきっかけで、東京に行こうって決めました。

──なるほど、最初は女優志望だったと。

涼 そして上京して事務所に入ったのですが、事務所の方針的にレースクイーンからスタートする感じだったんです。それ自体に嫌悪感とかはなかったものの、このまま行くと時代劇よりも『バカ殿様』のようなバラエティ路線にならないかな、と考えて。それなら最初から「和」のイメージがつくように、着物が着られて、なおかつ持っている師範の資格が活かせる“書道家”として活動をしていくのはどうだろうと思いました。

CREDIT

取材・文/池守りぜね 撮影/荻原大志 撮影協力/小杉湯となり


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