FOLLOW US

UPDATE|2022/10/15

乃木坂46 樋口日奈&和田まあやが11年の活動の中で示してきた“アンダーの可能性”

30thシングル『好きというのはロックだぜ!』



一方で、1期生の最年少として愛されてきた和田。彼女ほど愛にあふれていて、笑顔をファンに届け続けてきたメンバーを知らない。和田であれば、突拍子もない言動をしても許されてしまう……そんな空気感すらあった。

思い返せば、『乃木坂ってどこ?』では初代頭NO王に君臨しするなど、グループきってのおバカキャラとして名を馳せ、その言動がフォーカスされることも多かった。後輩が増えようとも和田の末っ子感はいつまでも変わらず、バラエティでも積極的に盛り上げてくれたのも彼女だったように思う。

和田は初選抜入りとなった8thシングル『気づいたら片想い』、1期生全員選抜の25thシングル『しあわせの保護色』を除けば、全てのシングルでアンダーという立ち位置に置かれていた。こうした状況に周りからは苦労人というレッテルが張られていた部分もあるかもしれない。

だが、アンダーライブという乃木坂46の1つの核ともいえる場で11年もの期間に渡って活動してきた和田は、間違いなくグループのパフォーマンスの魅力を伝えてきたといえるだろう。そしてこれからの未来を担っていく3、4期生にその頼もしい背中を見せてきた。

『EX大衆2020年4月号』(双葉社)のインタビューでは、「後輩に背中を見せたいという思いはあるのか?」という質問に対して、「『後輩にこれを教えたい』とか、そういう気持ちはないんです」と話しながら「後輩は私たちの日頃の行いを見ているはず」と答えていたのが印象的だった。この言葉から分かるのは、普段から和田は後輩の手本として自然に行動で示してきたということだ。

東京と大阪の計6公演にわたって開催された「乃木坂46 30thSG アンダーライブ」では、和田の口から衝撃的な事実が語られた。それは「生まれてすぐに大病を患っており、助かる可能性が低かった」というものだ。20歳にいたるまで病院通いを続けていたようで、だからこそ和田がアイドルとしてこれまで示してきた笑顔が重くのしかかってくる。こうした過去があったからこそ、常に笑顔を届け続けてきたのかもしれない。

そして和田は最後シングルのアンダー曲『Under’s Love』においてセンターに抜擢。これまでのアンダーの起伏を表してきたかのような情熱的な楽曲となっており、最後を飾るに相応しい表現の場になっていた。

今では選抜・アンダーともに3、4期生が中核を担っており、グループは順調に世代交代に向かっている。アンダーを中心に活躍してきた樋口と和田が卒業を決意できたのは後輩たちの成長を肌で感じてきたからなのだろう。2人の熱い思いはきっと後輩たちが受け継いでいってくれるはずだ。

【あわせて読む】乃木坂46山下美月が『舞いあがれ!』出演、あざといキャラを経て次なるステージへ
AUTHOR

川崎 龍也


RECOMMENDED おすすめの記事