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UPDATE|2022/10/21

制作費インド映画史上最高97億円、世界で話題の映画『RRR』は日本人のステレオタイプを崩せるか?

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『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1998)、『きっと、うまくいく』(2009)、『バーフバリ』2部作と、日本におけるインド映画旋風というのは、何度か訪れてはいるが、次なる分岐点となる作品となりそうなのが、まさに今作『RRR』である。

【写真】壮大なスケールで世界でヒット、映画『RRR』場面カット

映画好きなら、インド映画のことをほとんど知らなくても『バーフバリ』というタイトルは聞いたことがあるのではないだろうか。インド映画輸入率が全体の1%にも満たないほど極端に低い日本においてもファンを持つS.S.ラージャマウリ監督は、独特の存在だといえるだろう。

そんなラージャマウリ監督の最新作にして、製作費がインド映画史上最高額97億円のビッグバジェットな娯楽超大作『RRR』がついに日本に上陸した。

今作はアメリカでも公開され、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『アンチャーテッド』といった競合がひしめき合う中で、初登場3位を記録。その後もNetflixの英語以外の言語の映画ランキンク上位に15週以上入り続けるなど、世界中で話題となっている。

『マガディーラ 勇者転生』(2009)の主演を務めたラーム・チャラン、そしてラージャマウリ監督の長編デビュー作『Student No. 1』(2001)に出演していたNTRジュニアといった、過去のラージャマウリ監督作品にゆかりのある俳優が集結。さらにテルグ映画初出演となるヒンディー女優のアーリヤー・バットやアジャイ・デーヴガンなどに加えて、レイ・スティーヴンソンやオリヴィア・モリスといったイギリス人俳優も多数出演。

イギリス植民地自体のインドを独立に導いた、実在する英雄のコーマーラム・ビームとアッルーリー・シーターラーム・ラージュの活躍を大胆にアレンジ。火と水、友情か使命か、互いの向いた方向は同じでも志は違う。歴史的な背景がありながらも、基本的には娯楽作品であることを貫いた「もしもこのふたりが出会っていたら~」という寓話であり、そこまで知識も必要ない。

米アカデミー賞にも外国語映画部門ではなく、『パラサイト 半地下の家族』(2019)や『ドライブ・マイ・カー』(2021)のように主要部門としてノミネートされるのではないかという噂も飛び交っており、映画批評家やセレブ、一般のファンも巻き込んで #RRRforOscarsというツイートがされており、決して夢物語ではない。

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