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UPDATE|2022/10/28

【特別寄稿】SKE48 OG大場美奈が見た須田亜香里「見てきた姿は笑顔と涙、半々ぐらい」

9月24日(土)名古屋・日本ガイシホールにて行われた卒業コンサートより (C)2022 Zest, Inc. / AEI


だーすーはレッスンの時によく細かく確認ごとをするタイプだった。これくらい自分で後で練習すればどうにかなるかな、と思うことでも全員できちんと確認する。普通にできるようなことを全体の動きを止めて確認するというのは申し訳なさが勝ってしまいなかなかできない。でも、だーすーは「必要だと思うことはやった方がいい。やらないで問題が起きた方が迷惑になる」 と常日頃から私たちに教えてくれていた。

あのときも、その教え通り、徹底的に確認するように促せばよかった。私は関係ないし、という気持ちがどこかにあったのかもしれない。全員で確認すれば防げたことだったとも思う。いつもそういう確認はだーすーがしてくれるからと、甘えていたのかもしれない。それはメンバーの私たちもだし、ダンス講師もマネージャーも。

それをきっかけにメンバーもスタッフも意識を改めようと話し合った。 大きなグループともなると、メンバーみんなに意見を伝えることはとても労力のいることである。 でも、だーすーはそれをどんな時も諦めなかった。だから私たちも積極的にやっていこうと。そのおかげでSKE48は大きなコンサートのタイミングで全体で意識の共有ができるようになった。

メンバーとスタッフ、みんながだーすーから学ぶことは多かった。

そしてだーすーはグループのために積極的に運営に話を聞きにいくようにもなった。「どういう意図があってこの仕事をするのか」「今回の戦略はどう考えているのか」など……。メディアに毎日出演しているだーすーが、そんな姿を見せるのはグループにとってとてもプラスなことだったと思う。

私とだーすーがグループについて話す関係になったのはSKE48が新会社に所属した頃だった。新しいSKE48になるために運営はどんなことを考えていて、それに対してメンバーはどうしたらいいのか気になっていた。グッズのデザインやライブのセットリスト、MCについて、まずは自分たちが理解していないと表に発信できない。自分たちが思っていることだけではなく、後輩メンバーが感じていること、自分がファンだったら疑問に思うこともぶつけたい。そんな意識が共通していた。

一度だーすーに声をかけられ、二人で一緒に話を聞きに行ったことがある。その時は涙ながらにメンバー側の意見を伝えるだーすーの姿を見て私も涙ぐんだ。あれだけの多忙なのに、グループのことを深く考えている姿に感動した。

これまでもいろんな涙を流してきただーすー。明るい笑顔がトレードマークの彼女だが、メンバー側からすると、見てきた姿は笑顔と涙、半々ぐらいなのではと思ったりもする。

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