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UPDATE|2022/11/06

『舞いあがれ!』が五島列島を舞台に選んだ理由「ばらもん凧がドラマのテーマと一致した」

『舞いあがれ!』で哀川翔(左)、高畑淳子(奥)ら演じる五島列島の人々(NHK提供)

10月からスタートした朝ドラ『舞いあがれ!』。福原遥さん演じる空に憧れるヒロイン・岩倉舞の成長を描く物語だ。舞台になっているのは大阪の東大阪市、そして長崎県の五島列島だ。中でも五島列島は、ドラマがスタートしてすぐ、第1週・第2週で舞台となった。なぜ五島列島が舞台に選ばれたのか。『舞いあがれ!』の制作統括・熊野律時チーフプロデューサーに話を聞いた。

【写真】高畑淳子、哀川翔ら五島列島の温かい人々とばらもん凧【5点】

「最初はもちろんどこを舞台にしようかというのはゼロベースで考えていくのですが、ひとつは大阪制作なので大阪だろうと。もうひとつをどこにするかということで、作品のテーマに“飛んでゆく”というのがあったので、地続きではなくて離れたところ、島みたいなところがあるといいよね、と考えたのがはじまりでした」

とはいっても、西日本に限っても無数の離島がある。いくつもの候補の中から五島列島を選ぶ決め手になったのは……。

「ばらもん凧ですね。これがドラマのテーマと一致するところがありまして。飛行機も人生も、向かい風があって初めて空を飛ぶ、舞いあがることができる。大変なことはいろいろあるけれど、向かい風を受けてそれを上がる力に変えていく。そういうドラマのテーマ、コンセプトがばらもん凧につながるんですよ」

第2週で物語の軸になったばらもん凧。鬼に立ち向かう侍の姿を描いた独特のデザインで、子どもの成長を願って家族が作って揚げるという、五島列島の伝統のひとつだ。

「物語のスタートで舞がこれからどういう人生を歩んでいくのか、どういう姿勢で物事に立ち向かっていく人になるんだろうかというのを、すごくシンボリックに現してくれる素敵なアイテムだなと思って。それでもうこれは五島を舞台にすべきってことだなとなったんです」

熊野プロデューサーをはじめとする制作陣も、たびたび取材で五島列島に足を運んだ。そのときに見聞きした情報も、物語の中に織り込んでいるという。


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