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UPDATE|2022/11/06

『舞いあがれ!』が五島列島を舞台に選んだ理由「ばらもん凧がドラマのテーマと一致した」

『舞いあがれ!』で哀川翔(左)、高畑淳子(奥)ら演じる五島列島の人々(NHK提供)



「五島独特の時間の流れとか人間関係とか自然との関わり方。また、潜伏キリシタンの辛い歴史はありますが、今は信仰に関わりなく、みなさん普通に共存している。そういうところも五島の魅力だなあと。みんな一生懸命に生きていて、ちょっとずつうまくいかないこともあるんだけど、みんなで助け合って生きていく。それはすごい大事なことだと思いますし、丁寧に描きたいと思っていることのひとつです。そういうところを五島という舞台が魅力的に現すことができるかなと考えました」

五島列島で出会った人たちの要素も、さまざまな形で登場人物の中に織り込まれているという。そしてその五島で暮らす人の中でも特に象徴的なのが、ヒロイン岩倉舞の祖母・才津祥子だ。演じているのは高畑淳子さん。

「おばあちゃんの役はぜひ高畑さんにお願いできたらというのは、かなり初期から思っていました。高畑さんがエネルギッシュでパワフルな役柄を魅力的に演じられてきているのはよく見ていたのですが、今回のおばあちゃんはエネルギッシュな部分と同時に不器用な部分も持っているんですよね。それをうまく出していただけるのは、高畑さんしかいない、と」

永作博美さん演じるヒロインの母・めぐみとその母である祥子は、若い頃の出来事がきっかけで疎遠になっていた。その“母子”を巡る物語も、序盤のみどころのひとつになっている。

「基本的にはひとりで島で生きているたくましいおばあちゃん。でも、同時に娘とのこととか、後悔を抱えながら。だから自分の気持ちを素直に出せない舞ちゃんの気持ちがわかるし、寄り添うことができる。地に足の着いた、説得力という意味で高畑さんのお芝居は最高ですよね」

ただパワフルにひとりで生きるだけでなく、心の中に葛藤も抱えて、その上で子ども時代のヒロインに大きな影響を与える——。これから展開していく岩倉舞の成長物語において、いわば原点なのが、五島列島という舞台と高畑さん演じる祖母・祥子の存在なのだ。

【あわせて読む】チーフプロデューサーが語る『舞いあがれ!』浅田芭路の素顔「高畑さんは“勉強になります”って(笑)」

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