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UPDATE|2022/11/03

高垣勇二に聞く、THE OUTSIDER軍団がBreakingDownに参戦した理由「即決だった」

撮影/たむらとも

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「正直、若い子のことはよくわからないんだよね。でも、時代が変わったなとは思う。だって今は悪いことなんて何もできないでしょ。街のあらゆる場所にカメラが設置されていて、悪い真似をしようものならすぐパクられちゃう。スマホで誰でも簡単に撮影して、SNSで晒される時代だしさ。だから国としては住みやすくなったんじゃない? 昔よりも安全になったわけだから。でも、やんちゃする子にとっては生きづらい世の中だろうね。いつの時代もそういう若い奴は一定数いるはずだし」

高垣が単なる不良と意を異にするのは、人望が非常に厚いことだ。横浜の街では先輩から可愛がられ、後輩から慕われている。本人も根っからの仲間思い。居酒屋で自分のイメージと違う料理が出ると、勝手に厨房に入って「ちょっと貸してみろ」と鍋を振り始めるような自由奔放さも併せ持つ。周囲はこうした高垣の人柄に魅了されていくのである。そんな彼に対して礼儀知らずな暴言を浴びせるBreakingDown出場者。自然と鬱積も溜まっているはずだが……。

「カメラが回っているからおとなしくしてやったけど、同じことを街で言われたら速攻で行ってるよね。でも、あいつらもそれはわかっているんじゃない? 自分たちが安全地帯にいるっていう前提のうえ、キャンキャン吠えているだけでさ。エンタメなんだよ、結局。闘いじゃないわけ。どうせ街で俺たちに会ったら、あいつらはビビッて何も言えないんだから。俺ももう40歳近いオッサンになったしさ、若い奴らが頑張っているんだなって微笑ましく感じるんだよね。だけど、あんな奴らが不良とかアウトローと呼ばれるのは少し違うかな」

BreakingDownという大会そのものに対しては「若い奴らに夢を与える素晴らしい場」と絶賛する高垣。自身もTHE OUTSIDRがきっかけで様々な光景を見ることができたと振り返る。拳ひとつで成り上がることができる格闘技大会は、時代を超えた魅力があるのは間違いなさそうだ。

「ある意味、今の子は恵まれていると思うんだよ。THE OUTSIDERの時代はネット配信もYouTubeも今ほど盛んじゃなかったからさ。俺なんて運よくそこから雑誌『SOUL JAPAN』とかテレビ番組『BAZOOKA!!!』に出ることができたけど、そんなのは本当に一握りだけだったわけ。今は自分で発信すれば、自分のチャンスを掴める時代。BreakingDown出場者なんて、みんな頑張って濃いキャラを作っているじゃん。大したもんだとは思うよ。夢は絶対に叶えられるんだという気持ちで臨んでほしいよね」

どこまでも自由に、自分の感覚のおもむくままに──。制御不可能な“ナチュラル・ボーン・チンピラ”が、大舞台で魅力を爆発させてくれそうだ。

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AUTHOR

小野田 衛


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