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UPDATE|2023/01/13

藤ヶ谷太輔主演、現実逃避を続けた終着点は希望か破滅か『そして僕は途方に暮れる』

(C)2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

社会の暗部を浮き彫りにする作風が特徴的な劇作家・三浦大輔。映画監督としても注目され、『愛の渦』や『娼年』などの衝撃作を生み出している。今回、自身が手掛けた舞台『そして僕は途方に暮れる』を、舞台版でも主演を務めた藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)を起用して映画化。1月13日(金)より公開されている。

【写真】藤ヶ谷太輔主演『そして僕は途方に暮れる』場面写真

本作品は、藤ヶ谷太輔演じる主人公の現実逃避劇。夢を抱いて上京したものの、大学卒業後は鳴かず飛ばず。気づけば歳もそれほど若くない…。バイトで食いつなぐ日々がいつしか日常になってしまい、振り返ってみれば、何も成し遂げていない。そんなうだつの上がらない主人公が、ある出来事をきっかけに、逃げて、逃げて、逃げまくる。

世間のせいだ、環境のせいだ、親のせいだと八つ当たりしたところで現実が変わるわけでもない。そんな自分を受け入れるしかない。しかし、受け入れたくない。

葛藤し続ける人間の方が、現代社会においては圧倒的多数派。そして結局受け入れるしかいかなくなり、どこかに落ち着いてしまう。

現実逃避といえば、映画やドラマを観るという行為もそうなってくるのだが、
とことん現実逃避するとなると、それはまた事情が変わってくる。なにしろ仕事や人間関係を切り捨てていくのだから、それなりの勇気がいる。だからこそ普通は、家族や恋人、友人など、社会システムの中で構築された関係性で縛られた環境下で現実逃避するなんて怖くてできないし、ましてや携帯電話の電源を切るなんて、社会との繋がりを遮断するような恐怖感がある。


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