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UPDATE|2023/02/15

ハリウッドの『ナイト&デイ』がインド代表のイケメン&美女でリメイク、製作費は約28億円

(C)Fox STAR Studios



『PATHAAN』を観ても『ミッション・イン・ポッシブル』色が強いと感じるが、ずっとアクション映画を撮りたいという願望が強かったのだろう。もともとトム・クルーズが好きだったというのはあるだろうが…。そんな中、『ナイト&デイ』のリメイクの企画が舞い込んできた。だから、忠実なリメイクというより、リメイクという名目の中で、シッダールトのやりたかったアクション映画を作ったという方が正しい見方かもしれない。

結果として、今作はシッダールトにとって、その後のアクション映画の基盤になったことは間違いなく、大きな分岐点作品といえるだろう。

リティクは今作のほとんどのシーンにおいて、スタントに挑戦。水上アクションシーンでは「世界初のフライボードを使って撮影された映画」称号を手に入れた。

ストイックにスタントに挑んだ結果、脳手術をするほど大怪我をしてしまったリティクだが、回復後もスタントに挑み周りを驚かせていた。毎回命がけのスタントで周りを心配させる本家トム・クルーズのやり過ぎスタントに通じる部分があり、その点においては精神的なリメイクといえるかもしれない。

またシッダールト作品で欠かすことができないのが、ヴィシャール=シェーカルによるキャッチーな楽曲の数々。今作においても魅力のひとつともなっており、シルパ・ラオやベニー・ダヤールといったお馴染みのアーティストも勿論参加している。

中でも「トゥメリ」は日本でもYouTubeやTwitterなどを通して話題になった楽曲であるが、エンディングに使用されている「タイトルソング(Bang Bang)」も忘れてはならない。

ニーティ・モハン(女性パート)と持ち曲3500以上の巨匠ベニー・ダヤール(男性パート)による見事なデュエットソングだが、その中でみせるリティクのマイケル・ジャクソンにリスペクトを捧げたダンスシーンは圧倒されるばかり。それもそのはずで、リティクはマイケルを自分のヒーローと言っているほどのマイケル信者。今までの出演作のダンスシーンでもマイケルオマージュを行ってきたが、今作でみせるダンスは、その決定版といったところだ。

【ストーリー】
インドの国際指名手配犯オマール・ザファル(ダニー・デンゾンパ)がロンドンで捕らえられた。だが、本国移送前に仲間が拘置所を襲撃し、脱走に成功。その頃、かつてインドからヴィクトリア女王に贈られたインド産で世界最大のダイヤモンド「コヒヌール」を、何者かがロンドン塔から盗み出す。北インドのシムラーに暮らすハルリーン(カトリーナ・カイフ)は、祖母(カムレーシュ・ギル)からこのニュースを聞かされる。宝石泥棒を主題とした映画と俳優の話に花を咲かせる祖母は、独り身のハルリーンに、自分の恋話を聞かせる。そこでハルリーンはマッチングサイトに登録し、サイトを通じて知り合ったヴィッキーとレストランで会い、楽しい時間を過ごす。だが、ハルリーンが席を外している間に彼は姿を消し、本物のヴィッキーが現れる。それまで一緒にいた男は誰だったのか——ハルリーンが思いを巡らせながら車を走らせていると、先ほどの男が負傷した状態で突然現れ、実の名はラージヴィールで、世界を股にかける盗賊なのだと打ち明ける。彼は、ザファルの求めでコヒヌールを盗んだ犯人だったのだ。翌日、ハルリーンはラージヴィールとの接触を疑われ、警察に連行される。そこにラージヴィールが現れ、ハルリーンを救出し、国境を超えた二人の逃避行が始まる。

【クレジット】
監督:シッダールト・アーナンド
脚本:パトリック・オニール(オリジナル脚本)/スジョイ・ゴーシュ、スレーシュ・ナーヤル
出演:リティク・ローシャン、カトリーナ・カイフ、ダニー・デンゾンパ、パワン・マルホートラ、ジミー・シェールギル、カムレーシュ・ギル、ディープティ・ナヴァルほか
音楽:ヴィシャール=シェーカル
原題:Bang Bang!
インド/ヒンディー語/ 2014年/156分
映倫区分/G
(C)Fox STAR Studios
2月10日公開

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