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UPDATE|2023/02/21

アプガ(プロレス)渡辺未詩がリングで感涙、コロナ禍で再認識した観客の歓声の力

(C)東京女子プロレス

アップアップガールズ(プロレス)というユニットをご存知だろうか? ちょっとでもアイドルに興味がある方なら、すぐにピンとくるだろう。そう、アップアップガールズ(仮)やアップアップガールズ(2)の姉妹グループで、所属事務所も同じなのだ。ただ、普通のアイドルとはちょっと違って、彼女たちはその名の通り、アイドル活動だけではなく、プロレスラーとしてリングにも上がっているのだ。今回、アップアップガールズ(プロレス)所属、インターナショナル・プリンセス王座の渡辺未詩を、元『週刊プロレス』の小島和宏記者が直撃。アイドル兼レスラー人生について、話を聞いた(3回連載の2回目)。

【写真】極楽とんぼ・加藤浩次のインスパイア!? 渡辺未詩「2人まとめてジャイアントスイング」が話題【6点】

【前編はこちら】アプガ(プロレス)渡辺未詩の原点を元週刊プロレス記者が深堀り「アイドルを目指していたはずが」

プロレスをまったく知らずにプロレスラーになってしまった渡辺未詩。それゆえ彼女にはある感覚が欠落していた。

「チャンピオンを目指すって感覚がなかったんですよね。同期の(乃蒼)ヒカリちゃんから一緒に挑戦しようって言われて、はじめてタッグのチャンピオンに挑戦したんですけど、そこではじめて、そうか、私はここを目指せばいいのかって。アイドルだったらオリコンで1位になるとか、そういう目標はありますけど、そこに形はないじゃないですか? でもプロレスでチャンピオンになれば、ベルトという目に見える形があるし、ファンの方に直接、見せたりして共有もできるんですよ!」

はじめてチャンピオンベルトを巻いたのはデビューから約2年後。ただ、ベルトの意味に気づくのが遅かったことが功を奏して、そんなに長い時間がかかったとは感じなかった、という。こういうエピソードひとつひとつが、プロレスとアイドルを同時にはじめる、という前代未聞の実験の成果なのだろう。

アイドルとしてもライブハウスでの対バンなどを積極的にこなしてきたが、最大の特色は試合前にリングで歌うこと。東京女子プロレスの興行は必ずアップアップガールズ(プロレス)の歌のコーナーからスタートする。これはファンにとっては大きなお得ポイント。プロレスの試合だと、まったくいいところがなく終わってしまうこともある。6人タッグだったら、出番がほとんどないまま終了という危険性だってある。その点、アップアップガールズ(プロレス)に関しては、確実に彼女たちが主役になれる歌のコーナーを楽しんだ上で、さらに試合まで見れるのだから、会場に足を運ぶだけで、もうメリットだらけなのだ。

実際、筆者が最初に目を惹かれたとのは『アイドルとして』の渡辺未詩だった。本当に楽しそうに、イキイキとパフォーマンスする姿からは、心からアイドルが好きなんだろうな、という想いが伝わってきたし、アイドルの応援作法がわからないプロレスファンをしっかりと煽っていく姿勢にも感心した。

「やっぱり興行としてみなさんに満足してもらいたいじゃないですか? それとプロレスの試合だとなかなかお客さんの顔を見る余裕がないんですけど、歌のコーナーでははっきりと見えるんです。それで今日はどんなお客さんが来てくれているのかなって確認もできるんですよね。昨年、後楽園ホールのメインイベントで勝ったとき、締めの挨拶をやらせていただいたんですけど、あっ、今日はオープニングと締めを両方できた! って。これってアップアップガールズ(プロレス)にかできないことだよなって、はじめて体感できました」

AUTHOR

小島 和宏


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