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UPDATE|2023/02/25

『silent』『First Love 初恋』『ブラッシュアップライフ』女優・夏帆が重宝される理由

夏帆写真集『おとととい』(SDP)


また、奈々には切ないシーンも多々あった。恋慕っていた想(目黒蓮)がヒロイン・紬(川口春奈)と再会し、自分の気持ちを抑えられなくなってしまう回では、手話と表情だけで愛情や嫉妬、切なさを表現し、視聴者から「奈々ちゃん切ない…」との声が多数あがった。想からかかってきた電話で震えるスマホを耳に当てるシーンは、涙した視聴者も多かったのではないか。

『silent』と同時期に配信を開始したNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』では、主人公・晴道(佐藤健)の婚約者・恒美を演じた夏帆。真面目で活発かつ気が強く、どこか悲壮感の漂う女性を熱演。名だたる俳優陣の中でしっかりとキャラを立たせており、『silent』とは違う顔を同時期に見せていたことから、「やっぱり夏帆の演技はすごい」と評価された。

明るいながらも悲壮感漂う役だった『silent』『First Love 初恋』だが、これらで演じた役が話題に上がり高評価を得ているところをみると、やはり夏帆自身の演技力に理由があることがうかがえる。ストーリー上、悲壮感漂う人物に目がいく人が多くいるのも事実だが、それを夏帆が演じることに意味があるのだと思わせてくれる。視聴者に「地上波でも配信でも報われないなんてつらい…」と思わせるほどの引力をもつのが彼女なのだ。ここまで感情移入をしてしまう人物に作り上げたのは、紛れもない夏帆自身である。

絶賛放送中の『ブラッシュアップライフ』について。映画ニュース・TVドラマ情報やレビューをメインとしたWebメディア『リアルサウンド映画部』のインタビューでは、「(本作では)役作りは全然していないんです(笑)。逆に言えば、もしかしたらそれが役作りになるのかもしれないというくらいで」と話している。かといって素の自分で挑んでいるわけでもないようだが、バカリズム脚本3度目の彼女は「升野さん(バカリズム)の脚本は毎回そうなんですよね」と語る。喋り方や振る舞いを計算して作ろうとせずとも、自然と出来上がってくるのだと。『silent』は準備が必要な役だったと話す彼女、役作りの仕方は作品によって変わるそうだ。

しっかり準備をする役、役作りをせずに挑む役…どのような役も自分のものにできるからこそ、彼女の演技は安心して見られ、物語の中の一人の人物としてそこに存在するのだろう。安心してストーリーに集中できるからこそ、「彼女が出る作品なら観てみよう」と思う人が多くいる。作品がヒットするのも納得だ。

2022年の年末は悲壮感を漂わせる演技で魅せた彼女。役作りをせずに挑む『ブラッシュアップライフ』の“なっち”は、今後どのように魅せてくれるのか。人生4周目に突入した麻美とは疎遠になってしまった“なっち”と“みーぽん”。また3人娘のわちゃわちゃを楽しみにする声も多いが、果たしてどうなっていくのか。最終話まで目が離せない。

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