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UPDATE|2023/03/25

【何観る週末シネマ】ニコラス・ケイジが本人を演じる!?『マッシブ・タレント』、”愛”があふれた新代表作誕生

(C)2023 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.

この週末、何を観よう……。今週公開の作品の中から、映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、3月24日(金)より公開されている、ニコラス・ケイジ主演の『マッシブ・タレント』。気になった方はぜひ劇場へ。

【写真】『マッシブ・タレント』場面写真

〇ストーリー
ハリウッドスター、ニック・ケイジは悩んでいた。多額の借金を抱え、心から望んでいた役は得られず、妻とは別れ、娘からは愛想をつかされていた。「かつて栄華を極めた俺の人生はもう取り戻せないのか――。」悲観する彼の下に、スペインの大富豪の誕生日パーティーに参加するだけで 100 万ドルが得られる高額のオファーが舞い込む。借金返済のため渋々受け入れ、スペインへ飛んだニックを、彼の熱狂的なファンだという大富豪ハビが待ち受けていた。最初は乗り気ではなかったニックだが、映画の趣味が合うハビと意気投合し、友情を深めていく。ところがある日、CIA のエージェントがニックに接近する。ハビの正体は国際的な犯罪組織の首領で、彼の動向をスパイしてほしいというのだ。ハビとの友情をとるか、それとも国家のために働くのか。ニック・ケイジの俳優人生を懸けた一世一代の大仕事(ミッション)の幕が上がる……。

〇おすすめポイント
アカデミー賞受賞経験もあり、90年代から2000年代前半にかけては「ザ・ハリウッドスター」という印象だったというのに、浪費癖や度重なる離婚など、なにかと問題続きで、今ではB級映画の人になってしまったニコラス・ケイジがニコラス・ケイジを演じる映画ということで、てっきり『その男ヴァン・ダム』(2008)や『ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン』(2017)などのような、自虐的な作品なのかと思いきや、監督は務めるのはニコラス・ケイジが大好きなトム・ゴーミカンということで、ちょっと違ったテイストの作品に仕上がっている。

自虐ネタが全くないわけではないし、皮肉的なセリフも多いが、負のサイクルから抜け出せないケイジが、再び映画界で輝けるようになって欲しいという想いが全面に散りばめられていて、”愛”があふれている。

作中ではニック・ケイジという名前であり、家族構成も違ったりと、あくまで別人という設定ではあるものの、言及される作品や映像が使用されている作品は、紛れもなくケイジそのものであり、ケイジにまつわるトリビアも多く知ることができる。

今作は世界的に評価された作品でもあるし、今作への出演が直接的な理由ではないかもしれないが、実際にケイジの主演作も少し変化が表れてきていて、4月にアメリカで公開される『レンフィールド』は、ケイジにとっては、アニメの声優として以外では久しぶりのユニバーサルが制作する商業作品だ。

ニコラス・ケイジという俳優の今後を見守るうえでも、観ておかなければならない分岐点作品といえるだろう。

また共演のティファニー・ハデッシュのパワフルさに加え、デミ・ムーアや「ハロウィン」シリーズの監督としても知られるデヴィッド・ゴードン・グリーンなどのカメオ出演にも注目してもらいたい!!

〇作品情報
監督:トム・ゴーミカン
脚本:トム・ゴーミカン、ケヴィン・エッテン
出演:ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、アイク・バリンホルツ、アレッサンドラ・マストロナルディ、ジェイコブ・スキーピオ、ニール・パトリック・ハリス、ティファニー・ハディッシュほか
2022年/カラー/シネマスコープ/英語・スペイン語/107分/PG12/日本語字幕:平井かおり/字幕引用:戸田奈津子、菊地浩司、太田直子
提供:フラッグ、クロックワークス、Filmarks
配給:フラッグ 
宣伝:クロックワークス
3月24日(金)新宿ピカデリー、渋谷シネクイント、グランドシネマサンシャイン 池袋、アップリンク吉祥寺ほか全国ロードショー
(C)2023 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.

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