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UPDATE|2023/05/23

YOASOBI『アイドル』が映し出すもの…なぜSNS世代はボカロP出身アーティストにハマるのか?

『アイドル(完全生産限定盤)』(ソニー・ミュージックエンタテインメント)


YOASOBIの楽曲はそれぞれ別の小説を原作としているにもかかわらず、『アイドル』と同じように、SNS世代に刺さりそうなものが多い。

たとえば『怪物』では「本当の僕」「僕の在るべき姿」、『群青』では「本当の自分」「本当の声」といった歌詞が登場しており、他者の視線と向き合いながら自分のあり方を模索するような内容となっていた。

こうした傾向はYOASOBIにかぎらず、ボカロP出身アーティストや現役ボカロPが手掛けた楽曲の歌詞にも広く見受けられる。

2021年に投稿され、YouTubeで4,000万回以上の再生数を記録しているツミキの『フォニイ』も、嘘や本当の自分などをテーマとした楽曲。そもそもフォニイ(phony)という楽曲名自体、「偽物」や「でっちあげ」などを意味する英語だ。

また、人気クリエイターユニット・HoneyWorksによる『可愛くてごめん』も、SNS世代を意識した歌詞によって大ヒットした。同楽曲は『告白実行委員会~恋愛シリーズ~』のキャラクターソングとして制作されたが、歌詞のなかではSNS上で他者から向けられる視線を意識しつつ、自分らしさを追求する少女の心情が歌われている。

いつの時代も、音楽はその社会に生きる人々の価値観を色濃く映し出すもの。次にSNS世代の支持を集めるのは、どんな楽曲だろうか。

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