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UPDATE|2023/06/22

実写版『リトル・マーメイド』、批判の声を黙らせる実力派R&Bシンガー ハリー・ベイリーの説得力

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ディズニーアニメ『リトル・マーメイド』の実写映画が公開された。

【写真】あの傑作ディズニーアニメを実写化『リトル・マーメイド』場面写真【6点】

オリジナルアニメーションは1989年公開。1980年代に低迷期に入ったディズニーアニメ。そのジレンマから脱し、後に「ディズニー・ルネサンス」と呼ばれる第2次黄金期の記念すべき一作目となった作品だ。

『美女と野獣』(2017年公開)や『アラジン』(2019年公開)、『ムーラン』(2020年公開)といった同じく「ディズニー・ルネサンス」作品が実写化され、今後も『ヘラクレス』や、「ディズニー・ルネサンス」以外の作品でも『モアナと伝説の海』や『リロ&スティッチ』、『白雪姫』など多くの実写化が控える中で、絶対に外せない作品とも言える。

アリエル役にアフリカ系R&Bシンガーのハリー・ベイリーが抜擢されたことで、黒人がアリエルを演じることに対して議論が巻き起こったが、『リトル・マーメイド』の原作であるアンデルセンの「人魚姫」は、各国で映画やドラマ、アニメなど多くの媒体で映像化されており、そもそも肌の色が何色と決まったものではない。ちなみに日本では妖怪として描かれることが多い。

また、2019年にabc系列でテレビ放送された『The Little Mermaid Live!』では、アリエルを演じたのはアウリイ・クラヴァーリョ。アウリイはハワイ出身であり、ハワイ先住民だけではなく、中国やアイルランドといった複数のルーツを持つ女優である。アリエル役に非白人をキャスティングするのは、今回が初めてのことでもないのだ。

また、『白雪姫』の実写版で2024年に公開が予定されている『スノー・ホワイト』にはラテン系のレイチェル・ゼグラーがキャスティングされている。世界中で愛される作品を数多く持つだけに、ディズニー・プリンセス=白人というイメージが変わっていく方がむしろ自然の流れともいえる。

ハリー・ベイリーといえば、日本ではあまり知名度がないかもしれないが、小さい頃からミュージカルやディズニー作品に携わり、姉のクロイ・ベイリーとの姉妹デュオ「クロイ&ハリー」としても知られているR&Bシンガー。歌唱シーンのクオリティの高さは実際に歌を聴く前から決まったようなものだった。

オリジナル版の『リトル・マーメイド』はディズニーが本格的なミュージカルを目指して制作した作品ということもあって、最高のミュージカルシーンを構築するためにも、最高の歌姫が必要であり、肌の色以前に、そこにハリーがマッチしたということだ。

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