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UPDATE|2023/07/05

実写化成功のさらなる高みへ…“原作超え”と謳われた実写映画4選

『ピンポン』/『DEATH NOTE』/『容疑者Xの献身』/『リング』

漫画や小説などの実写映画化には、どうしても期待と不安が入り混じるもの。あの世界観を実写でどのように表現するのか、誰がどのキャラクターを演じるのかなど、不安要素を挙げたらキリがない。しかし中にはファンの期待を大きく上回り、「原作超え」と評された作品が存在する。

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2008年に公開された映画『容疑者Xの献身』は、まさにその一つといえるだろう。同作はベストセラー作家・東野圭吾の同名小説を映画化したもので、人気ドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)の劇場版第一作目。主人公の湯川学を福山雅治、その友人にして物語のキーパーソン・石神哲哉を堤真一が演じている。

石神は一見陰気な中年男性だが、実は物理学者・湯川が「俺の知る限り本物の天才」と評するほどの天才。しかしある時、隣の部屋に住む母子の事件をきっかけに、その頭脳を誤った方向へ使ってしまう。「僕がこの事件の真相を暴いたところで誰も幸せにはならない」という、湯川の台詞が痛烈に響く傑作ミステリーだ。

そんな同作屈指の名シーンといえば、やはりクライマックスで見せた石神の号泣シーンが挙げられるのではないだろうか。堤の迫真の演技により、石神の様々な感情が混ざった心情が痛々しいほど伝わってくる。原作の時点ですでに評価の高い作品だったが、堤の手によって「原作を超えた」とまで評されていた。

また演技だけでなく、役作りからも堤の意識の高さがうかがえる。というのも石神を演じるにあたり、湯川との肉体年齢差を出すために前部を白髪に染め、さらには髪の毛を薄くし、人とうまく会話できない人間ということを意識していたそうだ。

さえない中年男に見事成り切った堤は、同作で「第32回 日本アカデミー賞」の優秀助演男優賞を獲得。それほどまでに、石神の演技が観客の心を掴んだのだろう。

また、「原作超え」と呼び声高いオリジナルのラストが話題を呼んだのが2006年に公開された映画『DEATH NOTE』。大場つぐみと小畑健による同名コミックスが原作の、名前を書かれた者を死に至らしめるノート、通称“デスノート”をめぐる物語で、実写映画は『DEATH NOTE』と『DEATH NOTE THE LAST NAME』の前編・後編に分かれている。

主人公の夜神月は藤原竜也、ライバルのLを松山ケンイチが演じており、どちらも原作ファンが唸るほどの再現度の高さだった。

さらに容姿だけでなく、両者の演技力も同作を語る上では欠かせない。藤原の野心溢れる月と、松山の冷静沈着なLという、正反対な性格を持つ天才同士の頭脳戦は、まさに圧巻のひと言に尽きる。観ていて誰もが手に汗を握るはずだ。

そして原作とは違う映画オリジナルのラストがまた秀逸。原作では月とLの対決のあと、後継者であるニアとメロが登場し、Lに代わって頭脳戦を繰り広げる展開へ。しかし映画版では最後まで月とLの対決に焦点を当てており、宿命のライバルという構図がより強くなっている。

原作の時点で二人の対決に心惹かれるファンも多かったため、映画版のオリジナルストーリーも好意的に受け入れられたのかもしれない。


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