西畑がこれまでに演じた役を見てみると、どこか繊細で情緒的な表現力や理解力が必要とされる役が多かったように思える。
それは今回の『ノッキンオン・ロックドドア』でも同じで、松村演じる倒理はトリックの解明といった”不可能”専門であるのに対し、西畑演じる氷雨は動機や理由を探る”不可解”専門の探偵だ。
犯人の動機や理由を解明するには、その人の過去の出来事や日頃抱えている悩みなど、あらゆる心理的な要素から複合的に判断する必要がある。しかも犯人は自分からそのような事情を話さないことがほとんどであるため、探偵側はそれを読み取るしかない。それにはかなりの観察力が必要とされる。
観察力のある役柄を演技で表現するには、表情や視線といった非言語で訴えるスキルが必須だ。西畑は非言語で表現するスキルに長けているからこそ、視聴者からの評判も上々なのだろう。そのような演技派の西畑がこのドラマにいることで、単なる探偵物語ではなくヒューマンドラマ的な要素も併せ持っているように思う。
今後物語が進むにつれて、松村演じる倒理の心の傷が解き明かされるようだが、心の動きが重要なシーンで西畑は大活躍するに違いない。倒理の謎に西畑がどう関わってくるのか、しっかりと注目しておこう。
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