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UPDATE|2023/09/29

“住宅街の花火”や“花火大会の有料席”に批判の声も、花火メーカーに聞く実情と課題

写真はイメージです


次に花火大会の有料席については「もともと花火大会に有料席があることは一般的です。有料席に注目することは今更感がある、というのが本音です」と回答。

「花火大会は基本的に地元企業からの寄付金をもとに開催しています。ただ、長期間のデフレだったり、物価上昇の影響だったりなどで余裕のない企業は少なく、寄付金も以前ほど満足に集まらなくなりました。加えて、花火大会を開催するためにも人材が必要になりますが人件費も高騰しています。

また、昨年韓国のソウル梨泰院で雑踏事故が起きたたため、混雑回避のために警備員の数も増やさなければいけない。例年以上に花火大会を開催するためにはお金が必要になり、苦肉の策として有料席の設置や有料席の値上げに踏み切るしかありません」

有料席はむしろ当然ではあると話すが、「びわ湖大花火大会のように目隠しをして、というのはやりすぎな気もします。もう少しやりようがあったのではないでしょうか」と語った。

最後に花火の魅力を聞くと「私達は線香花火を作るというワークショップなどを定期的に開催しているのですが、毎回親子連れの人達が多く参加してくれます。その際、話を聞くと花火をやったことがないというお子さんは多い。また、オール電化住宅が増えたことにより、そもそも火に触れたことがないというケースも珍しくありません。気軽に火に触れることができるアイテムとして、花火はうってつけだと思います」と回答。

「個人的に一番の魅力としては、『花火をやったことはある?』と聞くと、その時の楽しい情景がパッと頭に浮かぶのですが、その時にどんな花火をやっていたのかまでを正確に記憶している人ってほとんどいないことです。例えば、音楽ライブの思い出を聞くと『10曲目のあれが良かった』、飲食店の思い出を聞くと『あのハンバーグが美味しかった』とハッキリと思い出せます。

一方、花火については具体的に何をしたのかは覚えていません。ただ、“楽しかった”という記憶は鮮明に残っています。花火の魅力ってそこにあるのではないのかなと思います。人と人とを繋いでくれる。世代に関係なく全ての人が笑顔で参加できる。スキルや知識も関係なく体験型として楽しめる。そういったアイテムやコンテンツってなかなかありませんよね」

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AUTHOR

望月 悠木


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