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UPDATE|2023/09/18

『転職の魔王様』Pに聞く、“逆マタハラ”の回は「仕事への価値観は本当に多種多様なのだと勉強に」

成田凌と小芝風花/『転職の魔王様』

毎週月曜22時から放送中のドラマ『転職の魔王様』(カンテレ・フジテレビ系) は仕事のリアルがギュッとつまった作品である。ブラック企業を退職した未谷千晴(小芝風花)は叔母の落合洋子(石田ゆり子)が社長を務める人材会社のシェパードキャリアで見習いとして働くことに。千晴の教育係となった来栖嵐(成田凌)は“転職の魔王様”の異名を持ち、千晴だけでなく求職者にも一切の甘えを許さない冷徹な対応をとる。ただ、嵐の言葉に求職者達は徐々に自身のキャリアと真剣に向き合うようになり、“なぜ働くのか”を見つけていくヒューマンドラマだ。終身雇用という働き方が揺らぐ現代社会にピッタリな本作をどのように制作しているのかなど、プロデューサーの萩原崇氏に話を聞いた。

【写真】『転職の魔王様』第9話場面カット【10点】

小説『転職の魔王様』(PHP研究所)が原作ではあるが、なぜドラマ化しようと思ったのか聞くと、「2~3年前に『転職の魔王様』の小説を読んで引き込まれました。小説は5つのエピソードが入っているのですが、当時私は40歳手前で『自分の市場価値ってどうなんだろう?』など自身のキャリアを考える機会が多い時期でもあり、その全てのエピソードに共感するポイント、考えさせられるポイントがありました」と話し始める。

「加えて、転職に特化したお仕事系のドラマはあまりなく、『ドラマ化したら新しい見せ方も表現できるのでは?』と考えました。また、転職に対する意識が高まっている昨今、『今、このタイミングでやる意味がある題材だな』と思ったことも影響しています」

次にキャスティングに関して聞いた。まず嵐役に成田を抜擢した背景として、「映画『スマホを落としただけなのに』(東宝)では浦野善治という怖さの中にもカッコ良さを感じるダークなキャラを演じていました。その底知れる怖さと言うか、深さみたいなものは嵐にピッタリだと思ってオファーしました」という。

「小芝さんは2年前に制作した『彼女はキレイだった』に出演してもらったことがあるのですが、その時に“健気に頑張るヒロイン”を演じてもらいました。千晴も同じように不器用だけど応援したくなるキャラですので、小芝さんならハマるだろうと思ったんです」

小芝と言えば4~6月に放送された『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)で、一度スイッチが入ったらマシンガントークをぶちまける荒っぽい金髪女性・鼓田ミナレを演じていた。千晴とは正反対のキャラクターを前クールに演じており、本作の演技に多少なりとも影響があったのではないか。

萩原氏は「小芝さん本人も当初は『切り替えが難しい』と話していましたが、撮影が始まってしまえばその不安を全く感じさせませんでした。1話目から完璧に“社畜”を演じていました」とその演技力の高さを絶賛した。
AUTHOR

望月 悠木


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