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UPDATE|2023/09/17

『グランツーリスモ』がついに映画化、現実とゲームの新たな距離感を描く

映画『グランツーリスモ』

世界中でアニメ映画の記録を更新し続けた『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』や『ソニック・ザ・ムービー』、『アンチャーテッド』など…。近年、ゲームのドラマ化や映画化がひとつのトレンドとなりつつある。それは2000年代以降のハリウッドのネタ切れ問題が深く関わっており、2000年代以降は大量のゲームの映画化企画が存在していた。

【写真】映画『グランツーリスモ』場面写真

数々のゲーム作品のドラマ化、映画化が進む中、いまいち実現には向かわないものも多かった。

最近になってアニメ映画『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』というかたちで実現した「スーパーマリオ」。『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993)以降の長らく再実写映画化が検討されてきた作品であったのに、なかなか実現しなかった。また同じ任天堂でいうと「メトロイド」や「ゼルダの伝説」なども映画化企画が何度も浮上しながらも実現には至っていない。

しかしコロナ過の影響でゲームの需要が急増し、そこに付属するかたちで映画、ドラマとのメディアミックスが盛んになった。そんな背景も重なり、ゲームのドラマ、映画化の企画が非常に通りやすい環境となった。今後もどんどんゲームのドラマ・映画化は急増してくることだろう。

新たなアプローチとして、ゲームの世界観を拡張するのではなく、開発者やバックステージを描くという作品も増えてきている。

先日、Apple TV+で配信された『テトリス』はそういった系統の作品であったし、現在公開中の映画『グランツーリスモ』もゲームの世界観ではなく、「グランツーリスモ」というゲームが現実社会に与えた影響というものを描いている。

『グランツーリスモ』は、2008年に日産、プレイステーション、ポリフォニー・デジタルが実際に立ち上げたゲームプレイヤーを本当のレーサーに育成するプロジェクト「GTアカデミー」を描いた実話ベースの作品。ただ、そこまでくると、ゲームの映画化というジャンルになるのかは疑問である。

ただ、多角的なアプローチも有りだとされるのであれば、長い間、試行錯誤を繰り返している「モノポリー」の映画化企画も実話ベースの方面に進むのではないだろうか。

実は「グランツーリスモ」の映画化企画自体は10年以上前からあったのだが、当初は今作のようなアプローチではなかったはずだ。レースゲームということもあって、ゲーム自体に世界観がないため、映画化するには自由すぎて逆に難しい部分があったのかもしれない。

同じくレースゲームを原作とし、過去に映画化された『ニード・フォー・スピード』(2014)などを観ても、「ワイルド・スピード」に影響された感が強く、「グランツーリスモ」も当初は、そういったアクション要素の強い作品が検討されていたのではないだろうか。


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