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UPDATE|2023/11/05

高垣麗子が綴る“楽しんだもの勝ち”精神「2度の離婚、シングルマザーの経験はすべて今の幸せに」

高垣麗子『わたしの好きのかたち』(光文社)より 撮影/前康輔 



「経験しないで済むのであればその方がいいのかもしれないけど、 どんな経験でも、それが糧になっているなと感じています。同じように離婚を経験してシングルとしてお子さんを育てている人はもちろん、過去につらい経験をしてきた人の気持ちに寄り添えるようになったし、今幸せだと思えているから、後悔することではなかったのかなと思うんです。と言っても、そう思えるようになったのは時間がだいぶ経ってから。つらいことも本当にたくさんあったし、もちろん悩んで葛藤する時期もありました。でも、その時期に逃げずにちゃんと向き合ったことが大きかったなと。それが今の幸せにつながっている感じです」

シングルマザーとして、6歳になる娘の子育てにも奮闘中。本書の発売後には、同じように子育て真っ最中の読者から感想が多く寄せられたという。

「仕事でも悩んで、子育てでも悩んで、というのは、みんな同じなんですよね。『共感できた』とか『心に響きました』という声をいただけたのは、すごくうれしかったです。私も毎日、時間に追われているし、朝もバタバタしながら『早くしなさい』を100回くらい言って登園させて(笑)。登園のあとは、すぐ仕事。

お母さんの私から仕事の私に切り替えて、撮影が終わったら駆け足でお迎えに行くような生活。Instagramに栗ご飯や月見団子を作った写真を投稿することもありますけど、そういった丁寧な暮らしがいつもできているわけではないです(笑)。普段は他のお母さん方と同じように寝る時間がもっと欲しい!と思っています」

多忙な日々を送るなか、時間をうまく使うために心がけていることは?と尋ねると「“いい加減”ですね。どうでもいい、ではなく、バランスよくいい意味で妥協することがコツかな」と返ってきた。

「もともと私は何でもきっちりやりたい性格。早めに行動したいという気持ちがあったんですけど、子どもがいるとそうもいかなくて。子どもの体調や機嫌によってスムーズにいかないことの方が多いし。だから、上手に妥協することが一番大事なのかなと思っています。妥協というとあまりいい意味じゃないかもしれないけど、その状況を受け入れる、というのは実はすごくプラスなこと。そういうものだな、と思ってしまえば楽しく過ごせるんですよね」

「やりたいことがあるなら、そのために何かを手放すことも大事ですよね」とも続ける。

「洗い物とか絶対にその日のうちに片付けたいけど、どうしても疲れていて今すぐ寝たいなら諦めて朝にまわすとか。最近は、なんでこんなに洗濯物があるんだろうと思うんです。洗って干して畳んで、のルーティンがすごすぎて。忙しいときは、干したものから使って〜っと娘に伝えています。畳んでいるものから使ったらもったいないじゃないですか(笑)。娘にとってはいい教育じゃないかもしれないけど、一生忙しいわけじゃない。時間に追われている今だけね、という感じで、いろいろ妥協しています」


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