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UPDATE|2024/02/14

東出昌大の狩猟に映像作家・エリザベス宮地が密着「積雪で凍傷に…『慣れるしかない』と言われて」

撮影/武田敏将



──当初は東出さんと、お二人の共通の友人にして音楽担当の2人組バンド・MOROHA、双方を強く絡めたドキュメンタリーになる予定だったんですね。

宮地 はい。最初は東出さん五割、MOROHA五割で、双方の視点を相互的に重ねて共鳴させるような構成になっていたんです。なので、東出さんの狩猟も数日間だけ密着して、獲物を仕留める場面を収めたら終わろうかなって思っていたんです。それが、撮り始めていくうちに狩猟の世界の厳しさを知り、しかも事務所を退所され山へ移住するなど、東出さんを取り巻く環境が一変して。猟師の面、役者の面など多角的に“東出昌大という人間”を撮りたいなとなり、気づけば1年以上に渡り追っていました。

──東出さんは、長期間に渡り私生活を追われることはどうでした? それこそ「単独忍び猟」という一人で全てをこなす狩猟のため、人がついた状態の狩りも初だったかと思います。

東出 確かに「猟として」の場合は、僕の師匠の服部文祥さん(登山家)から、「山登れないヤツと行っても(獲物は)獲れねえぞ」と言われて。確かに撮影当初は宮地監督、すごく山登りに苦戦されていて、獲りづらくなるよなあって。

宮地 ゴメンね(笑)。

東出 それに私生活の場合も、カメラが回ってしまえばどうしてもクセや欲が出て見栄を張り、演じてしまう自分も出てしまうかもしれない。けど、宮地監督とは互いにモノづくりのなんたるかの共通認識を持っていると思っていたので、狩猟の瞬間もいつも通りでしたし、日常もたとえカメラが回っている中でもクソできるなと思えるほど、自分をさらけ出せました。まあ、クソする場面は、使わないでねと言うと思いますが(笑)。

宮地 アハハ!そこは使いたくても使えない。

東出 まあ、それぐらい信頼していたということです。

AUTHOR

田口 俊輔


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