脚本:宮藤官九郎、主演:阿部サダヲによるTVドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第2話が、2月2日に放送された。
【関連写真】『不適切にもほどがある!』第3話で、昭和の深夜番組のMCを演じる秋山竜次【4点】再び令和の時代にやってきた市郎(阿部サダヲ)。昭和に取り残されたサカエ(吉田羊)とビデオ通話して事情を確認したところ、秘密裏に路線バスを改造したタイムマシンが開発されていたことが判明する。市郎は知らず知らずのうちに路線バス型タイムマシンに乗車して、令和にタイムスリップしていたのだ。
…って、その設定だと「市郎だけでなく普通の乗客も全員タイムスリップしちゃうだろ!」と思わずツッコミたくなるが、これは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場する車型タイムマシン、デロリアンのオマージュなのだろう。
そういえば第1話で、井上という名前の生徒が、将来の夢について作文を読み上げるシーンがあった。いかにも勉強ができそうな雰囲気を漂わせる井上は、デロリアンの例を用いてタイムマシンは理論上は開発可能であることを熱弁。将来は科学者になりたいと語っていた。
そして路線バス型タイムマシン開発者は、サカエの夫であり、キヨシ(坂元愛登)の父である井上昌和教授(三宅弘城)。おそらく同一人物だ。となると市郎は、自分の教え子が作ったタイムマシンによって令和にやってきたということになる。ひょっとしたら、この物語のキーパーソンは井上かもしれない。
また今回のエピソードでは、渚(仲里依紗)はもともとテレビ局のAP(アシスタント・プロデューサー)として働いており、フリージャーナリストの夫・谷口龍介(柿澤勇人)との間に子供をもうけ、産休に入っていたことが明かされる。会社の託児室に子供を預けて仕事に復帰したばかりなのだが、“働き方改革”の名の下に、どうにもこうにもやることがうまくいかない。
新人はシフト制のために教える手間が二倍になるし、上司は企画書を読む時間も作ってくれないし、やる気がすっかり削がれてしまう。夫に相談しようにも、分刻みのハードスケジュールでまともに話ができる時間もない。ほとほと疲れてしまった渚は、夫に離婚届を突きつけ、テレビ局には辞表を提出したことを明かす。
昭和おじさん・宮藤官九郎は、自分にとって身近な職場であるテレビ局を舞台にして、「面白いテレビ番組がなくなってきた」危機を軽やかなタッチで描き出す。