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UPDATE|2024/03/03

自分の出生の秘密を知って涙したスズ子が母に、『ブギウギ』が描く“血のつながり”を超えた家族

スズ子(左)とツヤ(右)。『ブギウギ』第39回より 写真◎NHK

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。これまで主人公・スズ子を中心に、様々な家族の形が描かれてきた。血のつながりはなくても、スズ子は周囲の人々に愛を持って接し、本当の家族のような関係を築いてきた。『ブギウギ』において“家族”とは、どんなものとして描かれてきたのか。制作統括・福岡利武チーフプロデューサーに話を聞いた。

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「スズ子は貰い子で生みの親ではない父と母に育てられています。血のつながりを超えても家族になれる、というところを意識していました」

スズ子は生後間もなく生みの親・キヌから離れ、ツヤと梅吉の元で育てられた。血のつながりこそなかったが、ツヤも梅吉もスズ子にたっぷりと愛情を注ぎ“家族”を作っていった。そのおかげかスズ子はこれまで、USKの仲間、小夜、山下マネージャー、羽鳥夫妻など、周囲の人たちと家族のような温かい関係を築いている。

「他人は他人と切り分けるのではなく、どんな人とも関係を深められる。そういう幸せの形を上手く描ければいいなと思っていました。ツヤさん、梅吉さんも近所の人と本当の家族のような付き合いをしていましたし、だからこそスズ子が人情深い子に育ったんだと思います」

スズ子の少しお節介なところや、どんな状況でも「聞いてくれる人のために」と歌い続ける姿は、義理と人情を持つツヤと梅吉の存在があったからだろう。大人になったスズ子の喋り方やしぐさから、ツヤに似た雰囲気を感じることもある。福岡チーフプロデューサーにスズ子の中の“ツヤっぽさ”について伺うと、趣里の女優魂を感じる話を聞かせてくれた。

「演出も台本も意識していたとは思うんですが、やっぱり一番は趣里さん自身だと思います。このセリフを明るく、ぱあっと言って笑う、みたいなところは自然に出てきたんじゃないかなと。深く計算したものではなく、明るく前向きなツヤさんがしっかり身体に入っていたからこそのお芝居だと思いました」

「水川さんと趣里さんは、実際は親子ほどの年齢は離れていないので難しいところもあったかもしれないですが、そこがお二人の素晴らしいところかなと思います」

AUTHOR

音月 りお


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