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UPDATE|2019/12/07

強くて可愛いキックボクサー・ぱんちゃん璃奈、引きこもりだった少女が生き甲斐を見つけるまで【写真27点】

ぱんちゃん璃奈 撮影/丸山剛史


──初めての試合は?

璃奈 ジムに通い始めて半年後、アマチュアの大会に出ました。試合内容はボロボロでしたが、なんとか勝つことはできました。無我夢中で手を出していただけだから、何も覚えていないんですけどね。試合が始まる前は「本当に私は人を殴ることができるのか?」と怖くなりました。ジムでサンドバッグを相手にしているのと違いますから。試合だと相手の苦しむ表情も見えますしね。

──それが23歳のときで、その後は?

璃奈 最初の試合の3ヶ月後に2戦目をやったんですけど、ここで負けてしまったんですよね。その負けがもう……めっちゃくちゃ悔しかったです! みんなの前で大号泣していましたから。試合で負けることがこんなにも悔しいなんて、自分でも驚きました。立ち直れないんじゃないかと思いましたし。それまでも週6でジムには通っていたんですけど、このままじゃダメだと心を入れ替えたんです。パーソナルジムで体幹を鍛え、フィジカルを高めるために筋トレをして、マッサージのケアも徹底させました。

──本気になったら、徹底してやる性格なんですね。

璃奈 そうかもしれない。バイトも時給が高い夜のバーに切り替え、労働時間を減らしつつ昼は練習だけするようになりましたし。でもおかげさまで、そこからはアマチュア10戦、プロ5戦と負け知らずで来ています。

──芸能関係の仕事は?

璃奈 東京に来てからは、ほとんどやっていなかったんです。少しだけ事務所に所属したこともあるんですけど、最初のアマチュアの試合に出るときに反対されたんです。「芸能界でやるつもりなら、格闘技は絶対ダメ」って。そこで「芸能界にするか? 格闘技にするか?」という選択になるわけですけど、なんの未練もなくキックを選びました。

──すごく真剣にキックに取り組んでいるのが伝わってきます。この取材もそうですけど、「美女アスリート」という切り取られ方をすることも多いと思います。正直、そのことは面白くない?

璃奈 もちろん試合の中身を観てほしいという気持ちはありますよ。だけどそれ以外の面で知ってもらったとしても、この競技を本気でやっていることは伝わると思うんです。それにやっぱりファンの方を増やしたいというのは本音としてあります。ファンの方がいるからこそ、私たちは試合や練習ができるわけで。こうやって取り上げていただくことで、選手としての知名度も上がりますし。今はスポンサーさんにもついていただいたり、応援してくださる方々がいてくださるおかげで私はバイトせずに頑張れている。今の格闘技界だと、ファイトマネーだけで生活できている選手って本当にごく一部だと思います。
ぱんちゃん
AUTHOR

小野田 衛


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