──近寄りがたい雰囲気を持っているのかもしれません。
玉城 それはよく言われるんですが、私としては「そんなことはありません!」と伝えていきたいです(笑)。でも美月にはそういうところがありますね。
──演じる上で気にかけていたことは?
玉城 ミステリアスな雰囲気を強調するために、声のトーンを少し変えたり、一つ一つの動作にも気をつけていました。
──美月のセリフは、全体の話を決定するような、重い一言が多いように感じました。
玉城 確かにそういう、池に石を投げて波紋をみんなに伝えるような役割もあります。でもその分、セリフに意味を持たせ過ぎずに話すのがとても難しかったです。美月の放った一言が決定的な意味を持ってしまうとミステリー的にどうなんだろう? とはいつも気にしていて、隠すべきところはどこか、どこである程度の答えをみせるか、その点は心掛けていました。
──撮影自体はどのくらいの期間でしたか?
玉城 2、3週間ぐらいです。1日の中で、1話を撮って、4話を撮って……というように、シーンも話数もバラバラだったので、その時の心境を間違えないよう、気持ちがつながるようにするのが大変でした。でも監督が常に「このシーンはこういう心境です」と撮影を始める前に仰ってくれました。
──下山天監督と、杉山嘉一監督のお2人が演出をされているんですね。
玉城 私も監督がお2人いると聞いて、それぞれの話数で、どういう風に焦点を合わせればいいんだろうと思っていたら、毎回、どの現場にもお2人が揃っていらっしゃるんですよ。下山監督はカメラも担当されていて、杉山監督は脚本も書かれているので、お2人がいいコンビネーションで互いを補い合っているようで、まさに美月と矢坂百合子のような関係でしたね。
──役者さんによっては、役が抜けない憑依型の方もいらっしゃいますが、玉城さんはカットがかかったら、役が抜ける方ですか。
玉城 はい、クランクアップしたら終わり! でリセットされるタイプです。今回も、カメラが回っていないところでは普段の自分でした。