──中学では一転して柔道部に所属していたそうですね。
神部 球技が苦手な運動音痴で、格闘技しか向いていなかったんですよね。でも体を動かすのは好きだったので、空手部がないとなると選択肢が柔道部しかなかったんです。
──中学でも空手を続けようとは思わなかったんですか?
神部 さすがに柔道と一緒にやるのは無理かなと。それに柔道にものめり込んだんですよ。柔道部も女の子は4人しかいなかったんですけど、先輩がめっちゃ強かったので、鍛えられて私も大会で結果を残すことができました。同じ階級なのにシンパシーを感じて、マンガの『YAWARA!』(浦沢直樹/小学館)も読んでいました(笑)。
──空手も柔道も上下関係が厳しそうですね。
神部 礼儀は厳しかったですし、メンタルも鍛えられました。もともと私は学校が嫌いで、不登校になりそうだったんですけど、親から「極真空手で鍛えてこい!」と言われて道場に通ううちに、学校も大丈夫になったんです。
──格闘技観戦も好きだったんですか?
神部 学生時代はK-1やPRIDEの全盛期だったので、格闘技観戦は生活の一部でした。私自身、格闘技をやっていたから、観るポイントも何となく分かるんですよね。師範や関係者が格闘技の大会に出場するときは応援で会場にも行ってました。
──学校ではどんなキャラクターだったんですか?
神部 小・中・高と全部キャラが違っていて、小学校では本がとにかく好きで、ずっと小説を読んでいました。たとえば『かいけつゾロリ』(原ゆたか/ポプラ社)とか(笑)。中学校は柔道部で活発でしたし、わりとはっちゃけていました。短い制服のスカートが流行っていた世代なので、私も短くしていたんですけど、兄が厳しい人だったので、短いスカートがばれないようにしていました。
──お兄さんがスカートについて叱るんですか?
神部 そうなんです。男子の中にはスカートの中を覗こうとする子もいるじゃないですか。だからちょっと過保護なんですけど「お前も注意しろ」って。兄だけじゃなく、友達も巻き込んで私を守ってくれました。今考えると優しいなと思うんですけど、当時は窮屈でしたね(笑)。高校生になると、人前に出るのが好きじゃなくて、今の仕事をしているなんて、当時の友達は想像もできなかったと思います。文化祭や体育祭などのイベントがあっても、写真にすら写りたくないタイプでした。