──人は学習する生き物だと言われています。ただ恋愛に関してだけは、何度も何度も同じように手痛い失敗を負うことが多い。これはなぜだと考えますか?
青木 別れるときって最後はボロボロになることが多いですよね。「もう恋なんてしない……」って槇原敬之さんの歌みたいに落ち込んじゃって。だけどそこで本当に恋愛をしない選択をうっかりしちゃったら、人生が豊かじゃなくなっていくんです。なにかに挑戦しない人生、闘わない人生、恋愛しない人生……「果たしてそれでいいのか?」という本質的な問いかけですよ。よく言われる「失敗したとしても挑戦したほうがいい」というのは、結局、そういう話にも繋がっていくんです。
──青木選手にとって、恋愛のもたらすプラス面はどういうことがありますか?
青木 まず単純に頑張りますよね。
──それは付き合う前の過程で?
青木 いや、違う。相手にもっといい生活をさせてあげたいという気持ち。それですよ、恋愛で大きいのは。逆にそれ以外は何もない。
──それだけ聞いていると、めちゃくちゃ相手想いじゃないですか。
青木 いや、どうだろうな。ある意味、自分勝手なのかもしれない。だって仮に付き合う前だったとしても、「相手を振り向かせたい」というのは十分に大きなモチベーションになるでしょう。それって結局は自己満足じゃないですか。自分が気持ちいいから、相手のために頑張っているだけであって。目の前にぶら下げられるニンジンとしては、これ以上ないと思いますね。そりゃ家庭も壊しますよね(苦笑)。どこまでいっても、自分が一番というのは変わりようがないというか。
──そんなこと言ったら、「結局、自分が一番」というのは相手も同じかもしれません。
青木 だと思いますね。恋愛で欺瞞的だなと感じるのは、本当はお互いが自分のためだけに付き合っているのに、相手のことを自分以上に考えているようなポーズを取ること。綺麗事ばかり言ってるんじゃねぇよってイラッとするんですよね。