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UPDATE|2021/05/09

卒コンでメンバーへ贈ったサプライズ…SKE48松井珠理奈が体現した泣き笑いのアイドル人生

(C)2021 Zest,Inc./ AEI

泣き笑いのアイドル人生だった。SKE48の松井珠理奈が4月11日(日)に名古屋の日本ガイシホールで卒業コンサートを開催した。その最後のスピーチ、松井珠理奈が語ったのは、長らくタブーとされてきた2018年の総選挙の話だった。なぜ、彼女はあえてその話に触れたのか。結成当初からSKE48を追ってきたライターの犬飼華氏が読み解く、松井珠理奈卒業コンサートの裏側。

【写真】ファンもメンバーも涙、松井珠理奈卒業コンサートの模様【10点】

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 2期生・高柳明音の卒業コンサートの翌日、最後の1期生・松井珠理奈の卒業コンサートが開催された。高柳は夜公演のみだったが、珠理奈は昼と夜の2公演。珠理奈が歩んできた13年弱の道を考えれば、それでも足りないくらいだが、高柳と同様、珠理奈もまたこれでもかと内容を詰めてきた。

 昼の部のサブタイトルは「卒業だよ!全員集合!~Let’s sing!~」。今にして思えば、いろいろなメンバーが目立ちますよという、珠理奈からの暗号だった。

 選抜総選挙やチーム、プロレスなどを意識した楽曲や演出が散りばめられる中、最も印象に残ったのは、やはりソロのブロックだった。自身の卒コンなのに、他のメンバーがソロで歌う時間にかなりの時間を割いた。曲数にして10。選曲も珠理奈が担当したという。誰が歌うのかを決めたのも珠理奈だ。

 自らの晴れ舞台なのに、なぜ自分がステージに立たないのか? 素朴な疑問が一瞬浮かんだ。前日の高柳の卒コンでは観られなかった光景だし、そんな卒コンは観たことがない。何か考えがあるはずだ。

 この日の配信を視聴していた指原莉乃がツイッターで反応した。

「えごちゃんがとんでもなく可愛かったなあ~という発見(いまさら)があったんだけど、珠理奈はこういう発見をしてほしくていろんな演出を考えたんだろうな」

 まさに珠理奈の狙いはここにある。我が軍のメンバーを見つけてもらいたかった。「えごちゃん」とは、『君は僕だ』をソロで歌った江籠裕奈のことだ。通常の劇場公演は観なくても、自分の卒コンだから観てくれる人がいる。そんな人にこそ届けたかったのだ。昼の部があったからこそできた演出だった。
AUTHOR

犬飼 華


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