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UPDATE|2021/12/11

M-1決勝進出・錦鯉 渡辺隆が明かす自意識過剰だった若手時代「なんで俺の面白さに気づかない?」

錦鯉・渡辺隆 撮影/松山勇樹

ハイテンションなボケを炸裂する長谷川雅紀と、隣で冷静にツッコむ渡辺隆のコンビ、錦鯉。「遅咲きの実力派」として、現在バラエティ番組に引っ張りだこで、“おじさん2人” の波乱の人生が赤裸々に描かれている初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』(新潮社)も現在絶賛発売中だ。今回、ツッコミ担当の渡辺隆に、相方・長谷川の特異性について語ってもらった。まったく違う2人だからこそ引き出せるお互いの持ち味とは?(前中後編の前編)

【写真】40代後半でブレイクしたくすぶり中年・錦鯉

錦鯉のネタは2人でなんとなく話し合いながら決めていますね。それも綿密な打ち合わせというよりは、軽い雑談みたいな感じで。パチンコのネタ(CRまさのり)に関しては、「ちょっとパチンコ台の真似してみて」って会話の中で始めた(長谷川)雅紀さんの動きがあまりにも変だった。それで僕がゲラゲラ笑いながら「これ、やろうよ」って決まったんです。だから錦鯉は台本らしい台本もないんですよ。芸人としては、かなり特殊なケースかもしれません。

そもそも僕がお笑いを始めたきっかけは「ダウンタウンさんみたいになりたい!」という純粋な想いだったんですけど、NSC(東京校)に入ったら「もうダウンタウンはいらないから」っていきなり言われたんです。NSCのポスターには「君もダウンタウンになれる!」って書かれていたのに(笑)。

やっぱり若い頃っていうのは自分が一番面白いと信じて疑わないわけです。「なんで俺の面白さに気づかない?今日も客が悪いな」くらいに盛大な勘違いをしていました。だけど30代に突入するあたりで「あれ?」と気づくわけですね。「俺、お笑い芸人とか言ってるけど、お客さんを笑わせていないんだから詐欺じゃねぇか」って。そこでようやくお客さんの反応だったり、お客さんに伝えることを意識するようになるんですけど……話していて自分でも呆れますが、そこにたどり着くのが遅すぎますよね(苦笑)。

AUTHOR

小野田 衛


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