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UPDATE|2021/12/11

M-1決勝進出・錦鯉 渡辺隆が語る恋愛「13年なにもない、芸人ってモテるんじゃないの?」

錦鯉・渡辺隆 撮影/松山勇樹

ハイテンションなボケを炸裂する長谷川雅紀と、隣で冷静にツッコむ渡辺隆のコンビ、錦鯉。「遅咲きの実力派」として、現在バラエティ番組に引っ張りだこで、“おじさん2人” の波乱の人生が赤裸々に描かれている初の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』(新潮社)も現在絶賛発売中だ。しかし、ツッコミ担当の渡辺隆は「中年の星」などともてはやされることに居心地の悪さを覚えるという。そこで、渡辺が感じる日常の幸福や、理想の恋愛など、年齢を重ねた今だからこそ到達した「俺だけの幸福論」を語ってもらった。

【前編はこちら】錦鯉・渡辺隆が明かす自意識過剰だった若手時代「なんで俺の面白さに気づかない?」

【中編はこちら】錦鯉・渡辺隆が語る相方・長谷川雅紀という笑いの天才「バカで同じ話ばかりしても面白い」

【写真】40代後半でブレイクしたくすぶり中年・錦鯉

20代の駆け出しの頃と43歳の現在では、幸せだなと感じるポイントも当然変わってきています。ただし、一貫して自分に欠かせない楽しみがあるんですよ。それは酒。僕の生活にとって酒は本当に重要だし、それは25歳で痛風になってからも一切ブレないです。今も尿酸値は9くらいありますけどね。とにかく家に着いてビール缶のタブを倒す瞬間が一番の幸せ。ニヤニヤしちゃいます。

酒を飲みながら何をしているかというと、テレビを見たり、最近だとバーチャルYouTuberの動画を見たり……。本当にダメなオジサンの日常って感じだな(笑)。でもまぁこれが僕の現実ですよ。

恋愛ですか?まったくご無沙汰ですね。もう13年くらい恋人もいないですし。そもそも出会いもないですから。全然女性と接する機会はないです。

こういう話をしていると、「またまた~。嘘でしょ?」と言われることも多いんです。おそらく世間では「芸人はモテる」というイメージが強いんでしょうね。僕自身、ビックリしていますから。「え?芸人ってモテるんじゃないの?」って。「ちゃんとモテさせろ!」と憤っていますよ。(笑)。

よく「いい年の重ね方をしている」という表現をすることがあるじゃないですか。それでいうと僕は本当に行き当たりばったりでここまでやってきたし、川に笹船が流れているような感じだから先のことは何ひとつわからない。「こうなりたい!」みたいな目標もなかったですしね。「このままやっていたら、俺どうなっちゃうのかな?」と無責任に自分を傍観しているようなイメージです。どこまでも無計画。ぼんやり生きてきたら、こうなっちゃったというだけの話で。

今の若手芸人は、もっと効率的で頭がいいじゃないですか。僕のことを反面教師にして成功してほしいですね。「錦鯉は中年の星です。自分も励まされました」とか言われることもありますけど、そう言ってくれる世の中年の方たちのほうが僕らなんて比べものにならないくらい立派ですよ。地に足をつけながら毎日の生活をしっかり送っている中年の方々のほうが、よっぽど星として輝いています。

僕たち2人は何ひとつとして変わっていないのに、『M-1グランプリ』決勝に進出したことで周りの評価が上がってしまった。今は戸惑っているというのが正直なところですね。そんな感じだから今後も特に抱負なんてないんですけど、強いて言えば継続させることが目標かもしれない。せっかく錦鯉の漫才が注目されるようになったのだから、続けることで僕らなりの道を切り拓いていきたいです。

▽錦鯉の自叙伝『くすぶり中年の逆襲』が新潮社より発売中
1,430円(税込)
AUTHOR

小野田 衛


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