FOLLOW US

UPDATE|2022/08/07

チャンス大城、自殺を考えた過去の自分へ「ダウンタウンさんに会えた、生きててよかったよ」

チャンス大城 撮影/松山勇樹

『人志松本のすべらない話』『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)、『水曜日のダウンタウン』(TBS系列)、などで自らの壮絶なエピソードを話し、驚愕と共に大爆笑をかっさらう芸人・チャンス大城が自身の半生をまとめた私小説『僕の心臓は右にある』(朝日新聞出版)を上梓した。「まぁ、綺麗ごとにはなっちゃうのかな。でも、誰かを救えたらいいなっていうのもあります」と語る大城は、どんな気持ちで本を書き上げたのか…。(前編後編の前編) 

【写真】私小説『僕の心臓は右にある』を書き上げたチャンス大城

──ついに『人志松本のすべらない話』や、ライブシーンでも語られてきたエピソードが一冊の本に! おめでとうございます。

チャンス大城(以下、大城) ありがとうございます。

──いつぐらい前から書かれていましたか?

大城 実は8年ぐらい前からちょっとずつちょっとずつ書いていて。でも、いつかはできるだろうと思っていたけど、期限がないと動かないんですね。その当時は事務所にも入ってなかったので、書いてもどうせ誰も相手にしないだろうと気持ちもあって。やっぱり出版社に話を持って行っても全滅で「自費出版ってどうやって出すんだろう」とか思いながら。

──本を書こうと思ったきっかけは?

大城 『東京タクシードライバー』という大好きなノンフィクション作品があって、その本に感動しまして、僕も書いてみたいなと。その後、作者の山田清機さんとフェイスブックで友だちになれまして、いろんなすべらない話をしていたら、「本書いてみたらいいじゃない」と言ってくださったので、それからちょろちょろと書き始めたんです。でも、ギャグやコントを作るなかで、毎日スコップで穴を掘っていくような作業でした。

そして、『水曜日のダウンタウン』や『さんまのお笑い向上委員会』とかちょこちょこって出させてもらっている今、ここがちょっといいタイミングかなと思って。朝日新聞出版さんが「おもしろい」と言ってくれたので出させていただきました。

──エピソードが盛りだくさんの私小説でしたが、伝えたかったことは?

大城 やっぱり目の前で人殺しを見たり、ピストル突きつけられたり、山に首まで埋められたり、尼崎でいじめられていたり…、(そういう場面では)お笑いがびっくりするぐらい通用しなかったこととか。尼崎の下町の夕焼けのような、鉄臭い部分を何か出せたらいいな、と。この本を読んで、「こんなヤツもいるんだ」って思ってくれたらいいですね。


RECOMMENDED おすすめの記事