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UPDATE|2022/09/02

歩んだ道が違っていても、アナタはアナタでしたか? 映画『さかなのこ』が問う"好き"のもしも

(C)2022「さかなのこ」製作委員会


つまり、さかなクンが、もしも『TVチャンピオン』に出場していなかったら、そもそもそんな番組が存在していなかったら……という、もしもの世界を描いているのだ。

これはさかなクンに限ったことではない、例えば「好き」を活かした職業についている、そんな人が、あの学校に行っていなかったら、あの会社に入っていなかったら、あの人と出会っていなかったら……。同じように「好き」を活かせていただろうか。ということだ。

これはアーティストやスポーツ選手であれば、より実感できるかもしれないが、普通の人であっても分岐点というのは、人生の中で何度も訪れている。さかなクンはそんな分岐点が少し違っていたとしても、今のさかなクンのように「好き」を活かすことができていたということ。少しぐらい回り道したって、少しぐらい環境が違ったって、さかなクンはさかなクンになる運命だったのだ。

そして自分に置き換えてみたときに、違った道を歩んできたとしても、今の自分になっていただろうか……。そんなことを改めて考えてみる、そんなきっかけを作ってくれる映画だといえるだろう。

【ストーリー】
お魚が大好きな小学生“ミー坊”は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。お魚を、毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、母親はそんなミー坊を温かく見守り、心配するよりもむしろその背中を押し続けるのだった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、町の不良ともなぜか仲良し、まるで何かの主人公のようにいつの間にか中心にいる。やがて1人暮らしを始めたミー坊は、思いがけない出会いや再会の中で、たくさんの人に愛されながら、ミー坊だけが進むことのできるただ一つの道にまっすぐに飛び込んで行く……。

【作品情報】
主演:のん 柳楽優弥 夏帆 磯村勇斗 岡山天音 三宅弘城 井川 遥
原作:さかなクン「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)
監督・脚本:沖田修一
脚本:前田司郎
音楽:パスカルズ
製作:『さかなのこ』製作委員会
制作・配給:東京テアトル
宣伝:ヨアケ
9月1日(木)よりTOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー

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