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UPDATE|2022/09/10

もえのあずき、プロの大食いとしての覚醒「女王・赤阪尊子との出会い、最後に問われるのは精神力」

もえのあずき 撮影/西邑泰和

大食いタレントとしてバラエティ番組などで活躍中の「もえあず」こと、もえのあずき。最初は、アイドルとしての“売り”を作るために、あるいは所属グループを有名にするための手段として、大食い道に邁進したという。その目論見は見事に的中し、もえあずの名は一気に全国区となっていく。だが売れっ子になった彼女の耳には、次のような声も届くようになった。「なんでアイドルを続けているの? 大食いタレントに専念すればいいじゃん」。実際、どんな心境だったのだろうか?(前後編の後編)

【前編はこちら】もえのあずきがアイドル兼大食い戦士になった意外な理由「恩師つんく♂さんの一言で覚悟を決めた」

【写真】アイドル&大食いファイターとして活躍するもえのあずきの撮り下ろしカット【14点】

「大食いタレントに専念…その問題は大食いを始めた初期からあったんですよね。たしかにビジネス的な面だけを考えたら、タレント業に専念したほうが効率はよかったのかもしれません。スタッフさんも含めて、悩んだのは事実です。でも大きかったのは、やっぱり(アイドルとして恩師である)つんく♂さんの言葉。『お前の本業は歌手なんや。歌を大切にする姿勢が、結果として実人生にもプラスになるはずやから』って言われたんですよ。それを聞いてハッとしましたね。正直、若かった私にはその言葉の深い部分まで理解できていたかは自信ありません。でも今となっては本当にその通りだと思うし、いまだにアイドルを続けていることでもご理解していただけるように、そこは絶対ブレちゃいけないポイントだったと思うんです」

もえのは最初から常勝チャンピオンだったわけではない。アイドルの中では群を抜いた大食漢だったものの、『元祖!大食い王』(テレビ東京系)に出演するとレベルの高さに苦しめられたという。

「もともと大食いファンじゃなかったこともあって、時間配分とかの“戦術”がよくわかっていなかったんですよ。それから気持ちの面でも甘かったですね。死に物狂いじゃなかったし、アマチュア気分が抜けていなかった。私、大食いで一番大事なのはメンタルだと思うんです。『もう食べられない』と考えるじゃないですか。でもそれって厳密には肉体がギブアップしているわけじゃなくて、脳が勝手にSOSを出しているだけなんですね。だから『もう無理』なんていうのは気のせい。勘違い。『まだ平気だ』って自分の脳を騙していくんです。そのへんはダイエットにも通じる部分があるんじゃないかな。根性論といえばそれまでかもだけど、人間、最後に問われるのは精神力だと思います」

AUTHOR

小野田 衛


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