ただし、そんな下積み時代からでも変わらないものもある。それは、当時やっていたコントも、2022年のジャルジャルがやるコントも、「自分たちの好きなお笑い」であるということだ。
福徳 ジャルジャルのコントを言葉で表現するなら、結局「好み」っていうことに尽きます。もちろん他の人のネタを見て「おもろいな」って思うことはあるけど、おもろいかおもろないかを抜きにしたら、自分たちのネタが一番好みなんです。
後藤 自分自身ではなかなかわかりづらいですけど、コントには「ジャルジャルカラー」が出てんのかな、とは思いますね。それはやっぱり「好み」としか言いようがないかもしれないです。
福徳 ネタの好みって20年やってても案外変わらないんですよ。20代の頃は「今やってるネタは30代、40代になったらやってへんやろな」って思ってましたけど、まだこの年齢になってもやってますし(笑)。桂文枝師匠が、「30年やったネタでも、ある時に『ここを変えたらもっとウケるんちゃうか?』って気づかされることがある」っておっしゃってるのを聞いたことがあるんです。その時はびっくりしたけど、そういうことがほんまにあるんですよ。
後藤 昔のネタを映像で観たりすると、まあ「下手やな」とは思うんです。それで言えば、今の僕らは表現やらなにやらは上手くなってるとは思います。ただ、技術が上がった分、今の僕らは良くも悪くもそれで逃げれてしまうところもある。だから、今後もネタをやる時には、素材の良さをちゃんと出しつつ、そこに技術を載せてパワーアップした形で見せていきたいな、とは思いますね。
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