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UPDATE|2022/11/26

ABEMAアナウンサー・西澤由夏、千鳥からもらった忘れられない言葉「こうじゃダメだとハッとした」

西澤由夏 撮影/荻原大志



しかしアナウンサーの人数が少ないことの利点として、数多くの有名人と仕事をする機会に恵まれている。西澤アナが共演してきた有名人の名前を並べると千鳥、ニューヨークに石橋貴明、今田耕司、堀江貴文氏、橋下徹氏――。キー局のアナウンサーでも、これだけの有名人と仕事をすることはなかなかないだろう。

「そこには本当に感謝しています。アナウンサーになる前の営業職の時から、堀江さんやカンニング竹山さんと番組を持たせていただいていて、サイバーエージェント、「ABEMA」のアナウンサーでなければ、こんな方々には会えていない。そうした幸運をひしひし感じながらの4年間でした」

中でも千鳥の2人は、アナウンサー1年目から4年間、『チャンスの時間』で共演している。今や日本のお笑いの中心にいる2人から言葉を、西澤アナは大切にしているという。

「カメラが回っているところだったのでノリではあるんですけど、私が『チャンスの時間』の担当になったばかりの頃に『すごいいじりにくいんだもん』と言われたんです。アナウンサー1年目でしたし、ちゃんとしないとという意識が強くあったので、その言葉にハッとして。『バラエティーのアナウンサーはこうじゃダメなんだ』と、そこから試行錯誤していきました」

やがて千鳥と西澤アナの歯車はうまく噛み合い、2人の言葉に西澤アナがうまく対応することで笑いも生まれるようになった。『チャンスの時間』も5年目を迎え、「ABEMA」でも長寿番組となったある日、千鳥と西澤アナは3人で取材を受けた。

「その取材で、大悟さんが私について『こんなにいじりやすいアナウンサーは今いないから、そこを伸ばしてほしい』と言ってくれたんです。そのとき、すごく嬉しくて。大悟さんは多分、番組当初の『いじりにくいんだもん』という言葉を覚えてないと思うんですけど、今はそういうふうに思ってくれているんだって」

一方で、ノブの言葉に救われたこともあった。番組を始めて3年頃、自分が番組に本当に役立っているのか、求められていることができているのか、そんな不安に襲われた。西澤アナはスタッフと一緒に行ったご飯の場で、ノブからこんな言葉をかけられた。

「『チャンスの時間をずっとやってきているけど、西澤ちゃんだからいいんだよ。チャンスの時間には、しゅっとしたアナウンサーが入って来られても困る。そこは西澤ちゃんだからやりやすい』と言っていただけて。いつも横にいるノブさんからの言葉だったので、安心しました」

同期からも共演者からも仕事ぶりを褒められる西澤アナだが、本人はまだまだ勉強中と謙遜する。そうした謙虚さが成長の秘訣なのだろう。

目標のアナウンサーはTBSの安住紳一郎アナ。バラエティー番組での立ち振る舞いや出演者との距離の取り方に憧れるという。

「バラエティー番組もニュースもあれだけこなせるアナウンサーはいません。そして『ぴったんこカンカン』(TBS)でのロケでのゲストとの距離感。ずっと積み上げてきたものではあると思うんですが、安住さんにしか出せないものがある。私もいろんな方にインタビューさせてもらったり、バラエティー番組の距離感に迷う部分もあるので、見習いたいと思っています」

売れっ子となるとフリーアナウンサーになる人も多い業界だが、西澤アナはフリーへの転身は否定。むしろ「ABEMA」でやりたいことがあるという。

「今は「ABEMA」のアナウンス室をもっと大きくしたいんです。先輩がいない1期生としてやってきているので、後輩がずっと欲しくて、会社の上の方にも話したことがあります。マネジメントを学んでみたいんですよね。サイバーエージェントはスピード感の早い会社なので、周りを見ていると今からマネジメントを学んでも遅いのではないかというぐらいに感じていて。後輩を育てられるようになりたいですし、その延長線上で「ABEMA」が大きくなっていければいいなと今は思っています」

(取材・文/徳重龍徳)

▽西澤由夏(にしざわ・ゆか)
1993年8月12日生まれ、埼玉県出身。2016年にサイバーエージェントに入社、2018年から専属アナウンサーとして『チャンスの時間』『ニューヨーク恋愛市場』などに出演している。
Twitter:@nishizawa_yuka
CREDIT

取材・文/徳重龍徳 撮影/荻原大志


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