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UPDATE|2023/01/13

映画音楽界の巨匠に迫ったドキュメンタリーの決定版『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(C)2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

この週末、何を観よう……。今週公開の作品の中から、映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、1月13日(金)より公開される、映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネに迫ったドキュメンタリーの決定版『モリコーネ 映画が恋した音楽家』。気になった方はぜひ劇場へ。

【写真】謎に包まれていた巨匠の音楽制作の現場、映画場面写真【18点】

〇ストーリー
モリコーネ自らが自身の半生を回想し、かつては映画音楽の芸術的地位が低かったため、幾度もやめようとしたという衝撃の事実の告白、そして、いかにして誇りを手にしたか?数多の傑作の名場面とワールドコンサートツアーの演奏と共に紐解かれ、さらに、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70人以上の著名人のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされる本作。モリコーネのメロディを聴くだけで、あの日、あの映画に胸を高鳴らせ涙した瞬間が蘇る。同じ時代を生きた私たちの人生を豊かに彩ってくれたマエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちた音楽ドキュメンタリー。

〇おすすめポイント
映画のシーンを記憶に残るようなものとして印象付けるのに必要不可欠なのは”音楽”である。そんな映画音楽を生涯作り続けた巨匠であり、映画史において決して外すことができないエンニオ・モリコーネに迫ったドキュメンタリーの決定版が『モリコーネ 映画が恋した音楽家』として公開される。

『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)や『明日を夢見て』(1995)、『海の上のピアニスト』(1999)など、ほとんどの作品でモリコーネの曲を採用し、彼の作品にモリコーネは欠かせないと言っても過言ではない映画監督ジュゼッペ・トルナトーレがリスペクトと愛を込めて本作を制作した。

ペンと五線譜のみで名曲を生み出し続けてきた天才だが、そのインスピレーションの源は謎に包まれている。その謎に少しは近づけるかもしれないが、本作を観てもそれはわからない。だからこそ天才であり、だからこそ唯一無二の存在なのだ。

映画音楽というジャンルに捉われず、多くのアーティストからも支持を受けるのも理解できる。

音楽制作やアカデミー賞の裏話など、資料的にも貴重な情報満載の作品であるが、何より単純に、数々の映画のシーンと音楽が観客の記憶を呼び覚ますギャラリー作品としても楽しむことができる作品だ。

〇作品情報
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
原題:Ennio/157 分/イタリア/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル
字幕翻訳:松浦美奈 字幕監修:前島秀国
出演:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノほか
公式サイト : https://gaga.ne.jp/ennio/
1 月 13 日(金)TOHO シネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー

(C)2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

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