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UPDATE|2023/02/23

秋元真夏が残したキャプテンとしての偉大な姿、乃木坂46らしさを引継いで発展させた功績

秋元真夏 卒業記念写真集『振り返れば、乃木坂』(幻冬舎)


そんな西野が語っていたのは秋元の人柄だ。乃木坂46に加入してから“あざとキャラ”の先駆者として、冠番組『乃木坂って、どこ?』『乃木坂工事中』(共にテレビ東京系)では、黒石さんと呼ばれる白石麻衣の毒舌な一面を引き出したり、最近で言えば楽天生命パークで行われた楽天vsソフトバンク戦の始球式でホームベースとは反対を向いて投球しようとしたりと、グループ随一の“愛され力”を持っている。

1.5期生的な立場だった秋元にとって初めて本格的な後輩である3期生が入った時も「彼女達がわからないことは教えてあげたいと思ったし、自分から積極的に話しかけていくことを意識していましたね」と2nd写真集『しあわせにしたい』(竹書房)のインタビューで語っており、気遣いを欠かさない優しい人柄は秋元の魅力だ。

それが秋元のキャプテンとしての姿勢にも繋がっている。一般的にキャプテンという役割に求められる要素として挙げられがちなのは強烈なリーダーシップとカリスマ性。それはAKB48のキャプテンだった高橋みなみのキャプテンシーが代表的だろう。高橋はこの2つの要素を十分に備えていたし、彼女の推進力にメンバーは付いていきたいと思わせられた。これはそもそもAKB48が半ば競争を強いられていた苛烈なグループであったことも多いに影響していた。

だが、時代は進み、こうしたマッチョなリーダーシップは衰退していき、グループの調和を重んじたキャプテンシーが求められるようになってきた。それが乃木坂46の桜井玲香を始め、欅坂46の菅井友香、日向坂46の佐々木久美だ。強烈なリーダーシップを発揮するわけでは決してないが、グループの雰囲気を大切に、伸び伸びと個性を伸ばしていくスタイルである。秋元は桜井から受け継いだこうしたスタンスを自分らしいキャプテンに落とし込んでいった。

AUTHOR

川崎 龍也


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