いわば“ファン代表”の芸能人が、読者と企業との架け橋のような存在になり、双方に良い影響を与えてくれるわけだ。やはり“ファン”の存在は、ファンブックを作るうえで絶対に欠かせない。どのチェーン店を取り上げるかを判断する際にも、一番重要視するのは“ファン”の熱量だという。
「どれだけそのチェーンに熱狂的なファンがいるかを重視していますね。そのために、ネットニュースでそのチェーンのニュースが取り上げられた時、ファンのリアクションには注目しています。人数もそうですが、肝心なのは“熱”。熱いファンが多ければ、全国展開していなくても、店舗数が少なくても、ファンブックを作ります」
最近では飲食店に限らず、「星野リゾート」「アパホテル」「ビッグエコー」など、リゾートやレジャー分野でチェーン展開をしている店のファンブックも制作している。飲食チェーンとの違いはあるのだろうか。
「実は、やることは変わらないんです。そのチェーンを愛する大勢のファンがいれば、そのファンを喜ばせる企業の創意工夫があってエンタメ化している。我々が届けたい内容は、どんなジャンルのチェーン店であろうと変わりません」
「食事をするだけではない飲食店の楽しみ方」「宿泊以外のホテルの面白さ」など、それぞれのチェーン店は日々進化している。「飲食店は食事をするだけの場」「ホテルは泊まるだけの場」という先入観を捨て、進化するチェーン店のエンタメ的な魅力に気づけたからこそ、その魅力に光を当てることができたのだろう。
(取材・文/山中千絵)
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