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UPDATE|2023/04/06

【証言 AKB48とキングレコードの15年】「計71回の被災地訪問で実感したエンタメの力」

AKB48 22thシングル『フライングゲット』。東日本大震災の年、2011年8月24日に発売された


 2013年、湯浅氏はキングレコードを円満退社。自ら代表取締役となり、Sizuk Entertainmentを立ち上げた。その後もAKB48のA&Rチーフプロデューサーであり続けたが、今年2月、AKB48はユニバーサルミュージックへの移籍を発表した。湯浅氏はAKB48での役割を終えた。最後のお話し会の現場では、何人ものメンバーが別れを惜しんで涙した。

 若手社員だった湯浅氏は15年間、ある思いを胸に仕事を続けてきた。

湯浅 たまに考えることがあります。「僕は何のために働いているのだろう?」って。メンバーのために、と言いたいところですけど、僕はヲタク出身なので、ファンの方のために働いてきたんじゃないかって思うんです。被災地の方の笑顔もそうですけど、握手が終わって嬉しそうに帰って行くファンの方のため、メンバーが歌番組に出るのを楽しみにしてくださっている方のためなのかなって思います。それって、十数年前の僕なんです。ファン出身の僕はたまたまレコード会社に入って、提供する側に回りました。だから、ファンの方ファーストの考えを根底に持ち続けてきました。

 AKB48の担当から離れた湯浅氏は、これからどうするのだろう。ツイッターでは「ほぼ無職」になると書いていたが……。湯浅さん、春から何をするんですか?

湯浅 今後はAKB48・STU48を通じて勉強させていただいたことを胸に、動いていきます。PiXMiXの担当は変わらず行いますし、アイドルグループをゼロからプロデュースしてみたいとも考えています。また、アイドル・アニメ・声優・VTuberでの音楽制作のお仕事も決まっています。また、アイドルとは関係ありませんが、僕は一般の方でも誰でもオリジナルソングを持てる世の中にしたいと思っており、そのために模索をしているところです。

 こちらは、かなり画期的で面白いプロジェクトになりそうな予感がしております。あとは、他にまだお話しできない案件が約7つ動いていますが、追ってお話できればと思っています。楽しみにしていてください(笑)。また僕は西小山(東京)のお茶屋さん「五十嵐園」を祖父から継いでいますので、そちらも頑張っていこうと思っています。日本茶AWARD2021の審査員奨励賞もいただいていますので、味は確かです。皆様、そちらもよろしくお願いいたします(笑)。
AUTHOR

犬飼 華


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