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UPDATE|2023/04/06

【証言 AKB48とキングレコードの15年】「オリコンウィークリー1位と紅白歌合戦を目指します」

2009年10月21日に発売されたAKB48 14thシングル『RIVER』。この曲で初めてオリコン週間1位を獲得した。

キングレコード(以下、キング)は2008年10月22日、AKB48のシングル『大声ダイヤモンド』をリリースした。ファンが好みそうな楽曲だったことに加えて、誕生したばかりの姉妹グループ「SKE48」の松井珠理奈(当時11歳)をジャケットに単独で起用したことも話題になった。【#1は下の関連記事からご覧ください】

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 キングの担当ディレクターだった湯浅順司氏が当時を振り返る。今年2月、ユニバーサルミュージックへレコード会社への移籍を発表したAKB48とキングの15年を振り返る3回連載の2回目。

 『大声ダイヤモンド』は、それまでAKB48がリリースしていた楽曲とは明らかに異なっていた。もしかしたら、この曲をきっかけにAKB48は上昇気流に乗るんじゃないか。そんな期待をさせるに十分な雰囲気をまとったシングルだった。

湯浅 お陰様で、オリコンウィークリーチャートで初登場3位をいただくことができました。1週目で3位、2週目で11位、3週目で22位でした。それまでのAKB48と違って、順位の落ち方が緩やかだったこともよかったと思います。

 僕らは“劇場盤”というCDをAKB48劇場で販売して、握手会を開催しました。これは過去になかったもので、メンバーを個別に指名して、各部に分かれた握手券付きのCDを販売しました。たとえば、“前田敦子 11~12時の回”みたいな。これは僕らが運営さんと協力して初めて実現させたことです。

 このシングルはAKB48にとってターニングポイントとなった。目標としていたオリコンチャートも3位を獲得。風向きが変わったことをメンバーもファンも感じていた。

湯浅 もちろん『大声』は名曲だし、風向きが変わったとは思います。でも、僕らスタッフがガラっと変わったと感じている曲は、次にリリースした『10年桜』なんです。

 何が変わったかというと、『大声』とは違って『10年桜』は平日にAKB48劇場で握手会を開催しておきながら、かつ週末に別会場で行う握手会の券も販売したんです。ベルサール原宿という場所で土日に開催したところ、信じられないくらい長蛇の列ができたんです。当時の日本青年館まで約1㎞の列が伸びてしまって、警察の方からもお叱りをいただきました(笑)。でも、その場にいた全スタッフが感じました。「これはキテる」って。

 それだけではなく、ファン層が変わったなとも感じました。家族連れでいらっしゃる方が急に増えたんです。冠番組が放送されていたことや前作の全国握手会の効果もあったと思います。
AUTHOR

犬飼 華


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