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UPDATE|2023/05/30

『バチェラー・ジャパン』歴代バチェラーからみる、恋愛リアリティショーの楽しみ方

『バチェラー・ジャパン』シーズン1



そしてシーズン4の4代目バチェラー・黄皓。彼は同作の女性版『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1に男性メンバーとして参加していた。バチェロレッテでは最後の3人で脱落してしまったものの、その後「次はバチェラーとして出てみないか」と話が巡ってきたそう。最後に選んだ秋倉諒子とはバチェラーで出会う前から知り合いだったそうだが、番組を通してお互いに惹かれあい、見事カップル成立。2023年に結婚を発表した。

シーズン1から4を鑑賞して思うのは、当然のことながらバチェラーによってもっとも大切にしていることが異なり、最終的にそこをクリアした女性が選ばれているということ。例えば、シーズン1の久保は終始ビジネスライクな振る舞いで、久保自身にあまり結婚願望が見えなかった。東大院卒でA.T.カーニーに入社、起業・バイアウトまで経験済みのスキのない経歴の彼は、最終的に13歳年下の蒼川を選んだものの、結婚よりも番組をしっかり作ることに意識が向いていたように思う。他シーズンと比べて話数が多いのも関係するが、見返すと視聴者が一番見たいであろう女性のドロドロや嫉妬が多いのだ。バチェラー自身が自分に求められていることを理解できていたので、良くも悪くもしっかり“恋愛リアリティ番組”を作ってくれたエンターティナー感が強い。

シーズン2の小柳津は情熱的な肉食系男子。結婚を本当に意識していたかは定かではないが、わかりやすく気持ちが振る舞いに出るところが久保と異なる部分だったように思う。久保よりも恋愛に積極性が見えつつ、女性を選ぶ際も真面目で冷静で、語弊を恐れずに言うと“一番まとも”なバチェラー。“リアル”と“リアリティ“が行き来するような感覚に陥ったシーズンだった。

シーズン3の友永は、とにかく第一印象(=顔や雰囲気など見た目に現れる部分)を大切にしていた。最終的に交際・結婚へと進んだ岩間は、第1話でファーストインプレッションローズを、その後もサプライズローズを受け取っており、番組上の最後の1人には選ばれなかったものの、どう見ても友永のお気に入りだった。

このシーズンの最大の見どころは、バチェラーがバチェラーたるものでなくなっていた点。岩間は自ら前に出るタイプではなく、さらに友永との会話がかみ合わない場面も多かったのに、クールな岩間に好かれようと努力する友永の姿が見てとれるのだ。「(友永のことは)好きだけど、恋愛感情かわからない」という岩間に対して自信がなくなったのか、ファイナルローズは水田に渡ったのだが……炎上覚悟で岩間にもう一度アタックする選択肢をとった友永は、第一印象を貫き通したと言えるのではないか。


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