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UPDATE|2023/07/06

Amazonオリジナル恋愛リアリティ番組『ラブトランジット』が話題を呼んだ3つの理由

Amazonオリジナル『ラブトランジット』



また、本作の出演者は全員が見事にキャラ被りをしていないのも魅力。俳優やプロのアスリート、経営者、女子大生などさまざまな職種の10人が集まっている。Xや恋愛との向き合い方がそれぞれ違い、もれなく全員から学ぶことがあった。素直な気持ちを出す人、出せない人、出さない人がはっきりしていて興味深い。

それも最初の方のエピソードではわからず、最終話まで見続けることで浮き彫りになってくる姿ばかりなのだ。感情とリアクションは必ずしも表裏一体ではないことを改めて突きつけられる場面もあった。

特に、共同生活中にXの目を見て話せる人と話せない人、相手の気持ちを尊重しながら自分の思いを伝えられる人とそれができない人がいるのは印象的。もちろん、単に恥ずかしさや気まずさもあるかもしれない。復縁したい・したくないも含めて「目を合わせる」「相手を尊重する」行動にも注目して見てほしい。

だが、本作の最大の引力は、劇中の音楽ではないだろうか。絶妙なタイミングで声から始まる音楽が入ってくるため、涙を誘う演出になっていた。シンガーソングライターのeillが歌う主題歌『happy ending』は特に胸にグッとくる。

出演者の表情のみが映り一瞬音がなくなり、次の瞬間に歌が流れる。それとともに目に浮かんでいた涙があふれる体験を、本作では何度もした。とにかく切なくさせるのだ。ものすごい修羅場を観ているのに、感動的なものをみたような気にさせられる不思議。『happy ending』を聴くと”匿名メールの送受信シーン”が思い浮かぶのは筆者だけではないはずだ。

テレビドラマは3か月のクール、配信ドラマもある程度の話数があるものだが、こちらは全8話で完結。それなのにドラマを1つ見終わったかのような余韻とほどよい疲労感が残る。完結したばかりではあるが、すでにシーズン2が待ち遠しく思えるほどの作品だ。

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