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UPDATE|2023/07/20

『パワプロ10』発売から20周年 友沢初登場、マイライフ初導入…心を奪われた画期的サクセス

『実況パワフルプロ野球10』超決定版(KONAMI)


 登場キャラだけではなく、選択できるチームも個性的。中でも極亜久やんきーズが記録に残る。極亜久やんきーズは番堂長児や半田小鉄 といった打撃面での友情タッグが可能な選手が在籍しており、打撃特化の選手を育成しようと思った際に選ばれがち。しかし、巨漢でパワーが自慢の半田が突如ダイエットに目覚め、シュッとした体形になってしまい、筋力の友情タッグができなくなってしまう。その代わり、“スピードフォルム”になった半田とは守備の友情タッグが可能になる。とはいえ、思い描いていた育成プランは当然崩壊。半田の体型に振り回される、という運要素は今思い返しても面白い。

 さらに極亜久やんきーズを掘り下げると、極亜久やんきーズは他球団から選手を奪える。やや契約面が気になるこの“移籍”ではあるが、実際に当時プレーしていた強打者やエースだけでなく、猪狩や橘といった固定選手を奪えるなどやりたい放題。奪ってきた選手と一緒にプレーや練習が可能で、疑似的に憧れの選手と練習するという夢のような時間を過ごせる。

 また、シーズン途中でアメリカへの野球留学というイベントは画期的。MLBのようにシングルスター・ダブルスター・レギュラーリーグの3ランクがあり、活躍すればランクが上がる。1年目にレギュラーリーグに昇格した場合、各ステータスがAやBが当たり前の一流選手の中に、平均ステータスがEかFの雑魚選手が混じる、という異様な光景が見られる。さらには、英語での解説も聞け、ボールカウントもアメリカ方式のBSOになっているなど芸が細かかった。

 他にも、三石琴乃さんの声を聞く度、作中に三石さんが声優を務めた人気スポーツ番組「パワスポ」のキャスターの希保田響子が今でも思い浮ぶ。現在の人生の基盤を作ってくれるほどの影響を与えたゲームであり、次々と語りたいことが溢れてくる、そんな素敵な作品だった。

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AUTHOR

望月 悠木


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