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UPDATE|2023/08/02

リメイク版『呪怨』、『変な家』…今一番怖い? ホラー界でひそかなブームの「家系」

『変な家』原作:雨穴/漫画:綾野暁(一迅社)

映画や小説などのホラージャンルでは、時代に応じてさまざまな流行の移り変わりがある。最近注目を集めているのは、「家」を主題とした作品群だ。とくに家を舞台とするだけでなく、家自体の不気味さにスポットを当てているのが、「家系」ホラーの大きな特徴となっている。

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たとえば、覆面ホラー作家・雨穴(うけつ)氏のデビュー小説『変な家』はその典型例といえるだろう。同作は家の間取りに注目した新しい視点の不動産ミステリーで、もともとはWEBメディア「オモコロ」の特集に掲載されていた作品だ。

そこから自身のYouTubeチャンネルで発信を行ったところ、1200万回以上再生されるという大ヒットを記録。2021年7月には書籍化も果たし、今や累計発行部数は60万部を超えている。さらに2023年6月にはコミカライズ版も発売され、2024年春には映画の公開も控えているという。

そんな今最も熱いホラーの1つである『変な家』だが、同作はタイトル通り「家」が主人公となっている。

物語は、オカルト専門フリーライターの元に“とある相談”が持ちかけられるところから始まる。その相談とは、東京で売りに出されていた一軒の中古物件について。外見はどこにでもありそうな普通の民家なのだが、その間取りには不可解な点がいくつもあった。

台所とリビングのあいだに存在する「謎の空間」、窓が一つもない「子供部屋」……。いったい誰が、何のためにこのような家を建てたのか。建築設計士の知人と共に推理を進めていくなかで、徐々にその家の不気味な謎が明らかになっていく。

単なるホラーではなく、読む者を飽きさせないミステリー的な仕掛けが同作の秀逸さだ。無機質な「間取り図」が徐々に恐ろしく思えてくる展開は、「圧巻」のひと言に尽きる。


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