FOLLOW US

UPDATE|2023/08/26

『最高の教師』が問いかける"常識の歪み"、芦田愛菜の謝罪を受け入れない勇気と一番の謎

土曜ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に□された」公式サイトより

8月19日に『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』(日本テレビ系)の6話が放送。鵜久森叶(芦田愛菜)が九条里奈(松岡茉優)と同じ2週目を生きているタイムリーパーであることが発覚。さらには、その鵜久森が何者かに殺害される怒涛の展開を見せた。鵜久森の死をもって第1章は幕切れして、9月2日に放送予定の7話から第2章が始まり、ますます見逃せない『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』。

【関連写真】ドラマでは教師役を演じる松岡茉優が"推し"の鞘師里保と共演

鵜久森の死はインパクト十分ではあるが、6話も胸に残るシーンがあった。相楽琉偉(加藤清史郎)から鵜久森に2人きりで話がしたいと持ち掛けられ、「悪かったよ」と“これまでの非礼”を謝罪されるも、鵜久森が「心のない謝罪は受け入れられない」と一蹴する場面である。

鵜久森は3話で「なんで辛い目に遭った人がみんなの前で謝らなきゃいけないのかって」「よくネットとかでも『お騒がせしてすいません』って傷ついている人が謝るのを見て、いつも納得いかなくて」と発言しており、“謝罪”という行為を大切に思っている印象。だからこそ、これまで受けていた凄惨なイジメ加害を上っ面な言葉と態度で水に流そうとする、そんなペラペラな謝罪を受け入れることはできなかったのだろう。

現在有名人が何かしらの加害行為を起こした際、いくら謝罪しても批判が完全に収まることは難しい。しかし、一般社会では家族やクラスメイト、仕事の関係者などから、許すことができない行為に関する謝罪を受けた場合、被害者側は“許してあげなければいけない”風潮がある。謝罪を受け入れないと周囲からは「許してあげようよ」「水に流そうよ」と嗜められ、それでも受け入れないと「お前にも問題があったのでは!?」と追い打ちをかけられるケースは少なくない。

ただ、許せないことはどれだけ頭を下げられても、お金を払われても許せない。それが相良のような形式に則っただけの心のない謝罪ではなおさら。暴力的ではなくキチンと自分の言葉で謝罪を拒否した鵜久森の姿勢はとてもカッコ良く、「謝罪は拒否をしても良い」と教えられたシーンだった。
AUTHOR

望月 悠木


RECOMMENDED おすすめの記事