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UPDATE|2023/08/26

『最高の教師』が問いかける"常識の歪み"、芦田愛菜の謝罪を受け入れない勇気と一番の謎

土曜ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に□された」公式サイトより


今後もどのような“常識の歪み”を見せてくれるのか楽しみである。しかし、個人的に一番気になっていることは、「誰が鵜久森を殺したのか」「誰が1週目で里奈を殺したのか」以上に、相良の“学校”に対する異常なこだわりだ。序盤は相良がクラスを掌握して“イジメの決定権”を持っており、さぞかし王様気分を味わえたことだろう。しかし、里奈の奮闘、里奈の言葉に背中を押された生徒達によって、依然としてクラスメイト達は相良の顔色を伺いつつも、以前ほどビクビクしなくなった。

5話では、文化祭についてクラスで話し合っている最中、茶々を入れた相良派の西野美月(茅島みずき)に、阿久津由利(藤﨑ゆみあ)から「みんなの話しを邪魔するなら出てっても良いじゃないかな」と追い払われる。また、6話では高圧的かつ不貞腐れた態度を取り続ける相良に対して、蓬田健斗(夏生大湖)から「俺は飽きたよ。お前らのその感じ」と怯えながらも苦言を呈された。

明らかに“クラスの邪魔者”となり、クラスに居づらくなってきている。加えて、高校3年生にもなれば、外に居場所を作ることができ、学校に執着する必要はないのではないか。にもかかわらず、相良が学校に通い続け、文化祭の妨害などを企てようとする理由が見えてこない。学校に対する幼稚なまでの思い入れの強さを感じてならない。

ベタなところで言うと、厳格な親からの圧力の捌け口として学校を利用しているのかもしれない。しかし、6話に登場した相良の部屋を見ると、テーブルはお菓子やペットボトルで散らかり、部屋の中にはエナジードリンクらしき飲み物が入っている小型の冷蔵庫が置いてある。さらには、スロット台まで設置されており、なかなかにヤンチャ。厳格な親がいるとは考えにくい。もしくは相良もタイムリーパーで学校に対して何かしらの恨みを抱えており、仕返しのためにクラスをめちゃくちゃにしようとしているのだろうか。

鵜久森や里奈の死に相良が関わっているのかはわからない。それでも、今後里奈は相良と対峙するだろう。その時に相良の目的、家庭環境などが鮮明になるはずだ。“相良回”にも期待しながら待ちたい。

【あわせて読む】『最高の教師』が鮮明にする“謝罪の違和感”、「お騒がせして申し訳ありません」は必要か?
AUTHOR

望月 悠木


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