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UPDATE|2023/09/10

COWCOW、芸歴30年の貫禄「人気若手が出てきても、自分らは自分らでしかない」

COWCOW 撮影/西邑泰和

結成30周年、生半可な数字ではない。「あたりまえ体操」のヒットでも知られ、売れっ子芸人からも「劇場番長」と呼ばれるコンビ芸人・COWCOW。神髄であるスベり知らずのネタをひっさげ、来る10月8日(日)今池ガスホールでの名古屋公演を皮切りに、全国4都市4公演のメモリアルな全国ライブツアーを開催する彼らに、ライブに向けた思いと芸人としての矜持を聞いた。(前後編の前編)

【写真】結成30周年、五十路目前のCOWCOW

善し 正直に言うと、単独ライブは毎年やっているので特別な感情というのは…(苦笑)。でもまあ区切りではあるので、過去のネタも含めて、皆さんが見たいものも含めてできたらな、と思ってます。やっぱり「周年だから外せない!」という気持ちはあるので。

多田健二(以下、多田) 08年からずっと毎年単独ライブは続けてきて、例年、コントが多めになってたんです。でも今年は、「THE SCOND~漫才トーナメント~」(フジテレビ系)もあったので、漫才をちょっと多めにやろうかな、と。

23年はCOWCOWにとって、久々のチャレンジの年でもあった。2月から予選が行われ、5月に決勝トーナメントが開催された、芸歴16年以上の新設賞レース「THE SCOND」で、COWCOWはエントリー160組の中からノックアウトステージに見事進出。つまり漫才のネタをブラッシュアップし続けてきた上半期だったのだ。同大会はエントリー資格があるものの、早期敗退のリスクも鑑みて不参加を選ぶ芸人も少なくなかったなか、参加の理由は何だったのか。

多田 実際、僕は最初は出たくない、という感じやったんです。でも相方が「出よう!」と。色々話し合いもして、ギリギリまで粘って結局出る、という感じでした。

善し「出ない理由」がなかったんですよね。賞レースのためにお笑いをやってるわけじゃないですけど、劇場は常に継続してて、そのおかげで今は本番で必要な3本分のネタもある。あとは、「M-1グランプリ」の出場資格が無くなって何年かしてから、「いつかこういう(ベテランが出られる)大会はあるだろうな」と思っていたので、「ついに来たか」という気持ちもありましたし。

多田 僕としては何回も挑戦する大会ではないな、とは思うので、出るならちゃんと終わりを決めてやろうか、という感じです。もちろん、大会が始まったことで各劇場が芸歴の長い芸人さんをターゲットにイベントをやってくれたりして、その年代の芸人さんの活性化にはなっているので、すごくありがたいなとは思っています。

参加芸人が限られる理由の一つには、通常10分前後の持ちネタを6分という「SECOND仕様」に仕上げるのが、素人が考えるよりも労力・負担がかかる、という点が挙げられる。


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