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UPDATE|2023/09/09

『最高の教師』が見せた死と向き合う覚悟、勝手な憶測で死者を語ることは「言葉を失った人への冒涜」

『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』公式サイトより


里奈のセリフは、あくまで鵜久森を傷つけた生徒達だからこそ向けられた厳しい言葉ではある。ただ、誰かの死について憶測で語ることは決して知り合いでなくても自重しなければいけない、そう感じさせるセリフだった。

ここ最近、有名人が亡くなった時、とりわけ“あの選択”をした際にはSNSで原因もしくは犯人探しが始まりやすい。その有名人の配偶者に「そばにいながらなぜ助けられなかった」と責めたり、その有名人の近しい有名人の発言を拾って「お前のせいだ」と糾弾したりといった行動を見せる人は一定数いる。

勝手な憶測でその人を語ることはもちろん、憶測で誰かを責めることは決して許されない。誰でも簡単にSNSで発信ができる、つまりは気軽に誰かの死の憶測を語れる時代だからこそ、意識して覚えておかなければいけない。

このことは『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』でも強調されていた。『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』でも同様に描かれていたということは、いかに制作陣が伝えたいメッセージであるかが伺える。裏を返せば、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』の放送から4年経ったものの、未だに誰かの死の憶測を語る空気感が改善されていない、むしろ悪化していると感じているからなのかもしれない。

物語のメッセージも強く感じるが、ストーリーの動向にも注目したくなる。鵜久森の死因、さらには里奈も鵜久森同様に1周目の命日より先に生きることはできるのか、謎が解き明かされていく展開も楽しみにしたい。

【あわせて読む】『最高の教師』松下洸平演じる九条蓮に“黒幕”疑惑? 根拠となる4つの不穏描写
AUTHOR

望月 悠木


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